クレイジーケンバンド『昼顔』2013年5月19日 音楽

 ベストアルバム『鶴』収録曲。

 「奥さーん。奥さん奥さん」とこの世の他のどの曲よりも最も多く連呼し、「奥さんのためなら~♪」と人妻への愛を最も明るく歌い上げた曲だと思います。
 聴いているだけで、自分の心もパーッと晴れていくみたい。
 楽しくて、いつの間にか笑顔になれる。
 
 何て言ったって、男性版デリ○ルの歌かと思いきや、自転車のサドルの気持ちになって書かれた歌詞だというから、その遊び心にびっくり!
 これはわたしの推測だけど…、たぶんその自転車、ママチャリですな!
 なぜなら!
 ママチャリに乗った人妻の方が萌えるから!
 ケンさんの感性、ほんとかっこイ~~~ネ!
 
 ライブで、観客の中に人妻を見つけたら、「奥さんのためなら~♪」と歌うべきところを「○○(人妻の名前)のためなら~♪」と歌ってくれるところも好き。

 わたしももし男性に生まれ変わることがあったら、ケンさんみたいなイカしたオヤジになりたいなー。

蔵満逸司『鹿児島の歩き方 鹿児島市篇』2013年5月18日 お奨めの本・参考書・問題集など コメント (1)

 わたしは鹿児島生まれ鹿児島育ち鹿児島在住ですが、あまり鹿児島のことを知りません…。
 にわか歴女なので、西郷隆盛や篤姫ゆかりの地などは好きですが、それ以外は大抵いつも車や路面電車でサーッと通り過ぎてしまいます…。
 桜島から降り注ぐ火山灰によって車も髪も顔も服も靴も汚れるので、休みの日は割と県外へ遊びに出る率の方が高いし…。
 というわけでこの本を読んでみました。
 鹿児島市の街歩きスポットをあちこち紹介してくれていて、「えー! あの場所ってそういう感じなんだー!」と勉強になりました…。
 …荒田八幡宮も異人館も目の前を通り過ぎるばかりで中までは行ったことないや…、と、自分の郷里への関心の無さにショックを受けました、自分が悪いんだけど…。
 この本にも出てきた、天文館のシネマコンプレックスや、マルヤガーデンズのガーデンズシネマにはよく行きますけどね。特にガーデンズシネマの場合、マニアックな映画ばかりやってくれるので、「今はどの映画をやってるのかな? えっ、これどこの国の映画!?」と、映画館を覗くだけでも好奇心を刺激されて楽しめるから。
 この本にも出てきたけれど、薩摩剣士隼人も大好きです。鹿児島弁全開のヒーローに、堪らない潔さを感じる。
 ちなみにこの本の表紙に使われている写真は、フルーツたっぷりのかき氷「白熊」で有名なお店「むじゃき」を写した写真です。「むじゃき」以外のお店でも、鹿児島県のあちこちでいろんな「白熊」を売ってます。「黒熊」も売ってます。わたしは「黒熊」の方が好きだなー。
 わたしもこれから鹿児島のことをもっと勉強します!

開発元…ブレイク 発売元…アクセラ『マリア 君たちが生まれた理由』2013年5月17日 ゲーム

 1997年に発売されたこのゲームのテーマは解離性同一性障害。(当時は「多重人格」と表現されていました)
 ジャンルはテキストアドベンチャー。
 発売されてから15年以上年も経つのに、時々棚から引っ張り出してプレイしたくなる、不思議な味のある作品です。
 
 名作、と呼ぶには余りに癖があるけれど。
 プレイヤーを怖がらせるべきシーンよりも、何気ない日常を描いているだけのはずのシーンが妙に怖いからです。
 そもそもポリゴンが怖い。
 …それを言っちゃおしまいだけれど、でも、ポリゴンで描かれたキャラの目が…、全員はなから死んでいる感じがする。
 とは言えポリゴンだからこそ、人間らしさが排除された、まるで人形のような冷たい美しさというか…、ヒロインであるマリアの持つ、不幸な女性だけが纏ってしまう美しくも哀しいオーラなど、そういうものが伝わってくる気がします。
 
 マリアは沢山の人格を作り上げてしまいました。
 そうしないと自分自身が壊れてしまいそうだったから。
 けれどマリア本人には、自分の中に他の誰かがいるという自覚も、彼らを生み出すきっかけとなった或る事件の記憶も無い。
 その記憶は心の奥底にしまい込んだから。
 けれど、重要な記憶を無理矢理しまい込んでしまったために、心が何通りにもひび割れてしまった。
 マリアの意識は、ブツ、ブツ、と何度も途切れて、その度に別人格が活動を始めてしまいます。
 一番救いを求めているのはマリア自身なのに、その苦しみに蓋をした、せざるを得なかったマリアは、自分でも気づかぬうちに、ただ静かに…完全なる崩壊、すなわち死を待つばかり。
 自分で望んでいるわけでもないのに、死に誘われてしまう。
 
 だから、わたしは何度も何度もこのゲームをプレイしているにも関わらず、やっぱり何度も何度もマリアを救いたくなってしまいます。
 マリアが死亡するエンディングは見たことがありません。
 多分これからも見ることはないでしょう。
 
 わたしは仕事柄、解離性同一性障害の方と時々出会いますが、その度にこのゲームのことを思い出します。
 幼かった頃のわたしに、精神医学等への興味を抱くきっかけの一つをくれたゲームだから。

IKKO『IKKOのキレイを磨くin韓国』2013年5月16日 お奨めの本・参考書・問題集など コメント (2)

 「空腹時は読まないでください」と、表紙にでも書いておいて欲しかった…!
 小腹の空いた深夜にこの本を読み始めたわたしは、「このチゲ美味しそー! 骨付き焼き肉ー! 堪らーん! …がるるるる」と、満月でもないのに狼に変身してしまいそうでした。
 とりよせバッグ、もしくはグルメテーブルかけ、もしくはホンヤクコンニャクとどこでもドアがセットで欲しいっ。どこでもドアだけではお店で料理を注文出来ない自信があるっ! ←それは自信じゃない!
 
 さて、この本、IKKOさんが韓国で美味しいものを食べたりエステでうっとりしたり韓国コスメを大量買い(もはや大漁と言う漢字をあてるべきかも)して実際に使ってみたり韓国の美のカリスマと対談してみたり服を買ったり旅について語ったり、と盛りだくさんの内容です。
 IKKOさんと言えばウォーキング、とわたしは勝手にイメージを抱いているのですが、やはりこの本でも朝晩のウォーキングを紹介していらっしゃいます。美意識が高くて素晴らしい。

 これから読む方は、くれぐれも食べ物を用意した上でこの本を開いてください…がるるるる。

Britney Spears『Circus』2013年5月15日 音楽

 「There’s only two types of people in the world
  The ones that entertain,and the ones that observe
  Well baby I’m a put on a show kind of girl
  Don’t like the backseat,gotta be a first」

 とBritneyが歌うから…、わたしは映画『ヘルタースケルター』を観てからというもの何度も何度もこの曲を聴いています。
 別に主題歌ってわけじゃないのに、何だか連想してしまって。
 
 この世には2つのタイプの人間しかいない、
 1つは楽しませる側の人間、
 もう1つはそれを楽しむ人間。
 わたしはショーを見せる側の女の子。
 バックシートみたいに目立たないのは嫌、一番になりたい。

 って意味の曲だからこそ、Britneyの腹をくくった潔さみたいなものが伝わってくるし、中毒性があります…。

 Britneyって凄いですよね…。
 ゴシップ好きの人間のことも、ダンス好きや音楽好きの人間のことも楽しませて、稀有なエンターテイナー。

道端カレン『道端カレンのママモデルビューティ』2013年5月14日 お奨めの本・参考書・問題集など コメント (2)

 幼い頃から母親に「モデルになるのよ」と美の英才教育をされ、三姉妹ともにモデルとして活躍中、という特殊な環境に居る方ではあるけれど…、それでも、「もしわたしが子持ちになったらこの女性のように美容に真摯に取り組めるだろうか」と尊敬の念を抱きます。
 子どもが起きるよりずっと早い時間、なんと5時半に起きて、ヨガして入浴してスキンケアもして洗濯も朝ご飯の支度もする、というタイムスケジュールがこの本に掲載されていてびっくり。
 それでいて、オンの日とオフの日をしっかり分けて、でもオフの日も、ヨガにビューティ・ペルヴィスに、ときっちり美容に励んでいるから凄い…。

蜷川実花監督『ヘルタースケルター』2013年5月13日 映画

 現実と非現実とがしっちゃかめっちゃかで、なんだか不思議の国のアリスの物語のよう。
 けれど、りりこという名のこのアリスは、不思議の国ではなく悪夢に迷い込んでしまった。
 極彩色の悪夢へと。
 
 もはや現実へ帰れなくなったこの醜く美しいアリスは、「首をお切り!」とトランプたちに命ずるハートの女王の如く君臨し、いつだって退屈で、いつだって周りの人々を傷つけ、その度にかえって自分の孤独に気づいて打ちひしがれている。
  
 その上まるで白雪姫の物語に出てくる魔女のように美貌にすがりついて「鏡よ鏡…」と繰り返す様は、とても哀れ。
 違法な美容整形という名の毒林檎をかじり続け、毒が全身をかけ巡っていくのに、呪いを解いてくれる王子様は、りりこには現れない。

 そんな残酷な世界に在っても、りりこが「見たいものを見せてあげる」と道を全うしたのは見事。
 美容整形を加えていない、元のままのパーツ…即ち目玉を破壊することで、りりこはりりことしての自分を殺した。
 …民衆は美貌の女王に陶酔するものだけれど、それ以上に、民衆はかつて栄華を誇った者が墜ちていくのを見るのが好きだから。
 ギロチンで首を切断されるか(マリーアントワネットは正確には女王ではなく王妃だけれど)、目玉を失うか、いずれも本質は特に変わらない。
 女王以上に民衆は気まぐれで、残酷で、退屈している。
 民衆は他人の不幸が好きなのだから…、カメラの前でどん底をさらけ出したりりこは、ある意味において最高のエンターテイナーと言えるのかもしれません。

 これからも強かに生き続けていくであろう最後のりりこの姿は、醜悪なはずなのに、ぞっとするほど妖しく美しかったです。

クレイジーケンバンド『黒い傷跡のブルース』2013年5月12日 音楽

 アルバム『GALAXY』収録。


 カタギじゃない感がまるで煙草の煙をくゆらせるが如く漂う曲。

 「なぜ別の生き方を選べなかった?」
 「頭に巡るのは坊やの笑顔」
 「そばにいてやれないパパでごめんね」
 という歌詞が哀しい。

 たぶん…、
 この曲の主人公は、
 ちゃんとした病院には運ばれていない。
 「目覚めるとそこは暗い病室」
 「赤い血の滲んだ白い包帯」
 という歌詞から…、
 適切な縫合が成されていないような気がします。
 闇医者のところに運ばれた、
 運ばざるを得なかった、
 そんな気がします…。

 生きろー! 坊やが待ってるぞー! と主人公に叫んでやりたいけれど…、
 たぶん…、
 主人公はもはや死に往く人なんだろうな…。

 取り返しのつかない、真っ黒な傷を負って。

エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン2013年5月11日 TV

 「錬金術師のアトリエって、こんな感じなのかもしれない…!」と、実際に錬金術師に会ったこともないのにわたしは好奇心でゾクゾクわくわくしながらこのDVDを観ました。

 このDVDには、ナレーションなどの装飾が施されていません。
 音楽とは呼べないほどわずかな効果音があるのみ。
 だからこそ、クリアに観ることが出来ます。
 音楽は、ただ調理する際に奏でられる音たちで十分。

 このDVDを観ていると、まな板も包丁もフライパンも鍋も、未知の実験器具に見えてきます。
 この不思議は一体何なのでしょうか。
 出てくる料理のどれもこれもが、見た目だけでは、味も食感も予測がつきません。
 フェラン・アドリア率いるこのレストラン『エル・ブリ』では、料理を作るということ以外は特にしていないはずなのに…、レストランではなく、まるで錬金術師のアトリエに見えてきます。
 意外性・感動・新しい食感を求めて、実験、記録、実験、記録、実験、記録、実験…の繰り返し。
 簡単に(もちろんこの方たちにとっての「簡単」)思いつくレシピはすぐにボツになるし、なんと言っても「この店ではまったく新しいものを作る」という言葉に、このレストランのスタンスが集約されているように感じます。
 
 毎年6か月ものあいだ休業して、その間、次シーズンのレシピを創造してきた、スペインの伝説のレストラン『エル・ブリ』。
 創造してきた、と過去形にしてしまった理由は、このレストランが完全閉店してしまったから。
 けれど『エル・ブリ』の挑戦は続きます。
 財団となった後の動向にも期待しています。

川上未映子『安心毛布』2013年5月10日 お奨めの本・参考書・問題集など

 予備知識なく初めてこの方のエッセイを読みました。
 
 感性や、独特の言葉のセンスにびっくりです。
 「ただ光っているものがただ光っているだけの時間、そこで手を伸ばし、笑い、走ったり泣いたりして、ただそれだけを生きていた、そんな時代があったのだな」(P15から抜粋)という文や、「深く空気を吸い込めば、自分がどこに立っているのか、今がいつなのかが、足元からほどけていくような、そんな感覚」(P96から抜粋)という文などなど…感性が素敵!
 
 言葉の綴り方も、何て言ったら良いのでしょうか、不思議なリズム感と言うべきか不思議なスピード感と言うべきか…。
 たとえば「寝室の壁にかかった額のなかにはジョンのいるホテルの一室が描かれてあって、これでひとつの部屋におおきなベッドがふたっつあることになってしまう、しまわない」(P31から抜粋。ふたつではなく本当にふたっつです、念のため申し添えておきます)など、自分で自分にノリツッコミしているような、かと言って笑顔でも真顔でもないような、そんな言葉を綴るセンスに感嘆させられました。

 稀有なキャラの方ですね…。
 またこの方のエッセイを読みたいです。

仕事ハッケン伝パリコレSP、内容が濃かった…。2013年5月9日 TV コメント (3)

 NHK『仕事ハッケン伝』パリコレSPを観ました。
 
 平山あやちゃんがVOGUE NIPPONの記者としてパリコレを取材して記事を書く、って企画で。
 アナ・ウィンターなどなど著名な人たちにどんどん声をかけていく平山あやちゃんの度胸を見習おうと思ったし、一つの記事をみんなで作り上げていく行程を知れて素直に感動しました。

 「リスクを恐れないで大胆になることが大事だ」とか、
 「コンセプトが形にならないとダメ」とか、
 「もっと感覚的に」とか、
 なんかこう、
 いろんな言葉が、
 グサ!グサ!グサ!と、心の中の、感性を高めるツボに的確に突き刺さっていくような感じで…。

 この回がDVDになったらいいなー。

松谷みよ子『おさじさん』2013年5月8日 お奨めの本・参考書・問題集など

 わたしが生まれる前から実家にあった絵本。
 昭和61年刷のものを今でも大事に持っています。
 子どもの頃はこの絵本の真似をして熱いものをスプーンですくってふうふう吹いて冷ましたり、「荒っぽくしたら、おさじさんが痛がるかもしれないから」と食器を大切に扱ったものでした。
 おさじさんとうさぎさんの表情も文章もとっても可愛らしいので、大人になってからも時折読み返しています。
 読むと優しい気持ちになれるから不思議。
 次の世代にもそのまた次の世代にも受け継いでいきたい絵本です。

井越和子『フラワーアレンジはじめてBOOK 花1本から、ひとりですぐにスタートできる』2013年5月7日 お奨めの本・参考書・問題集など コメント (2)

 タイトルに「はじめて」とありますが、フラワーアレンジメントを始めた後も長く活用出来る本だと思います。
 全ての項目についてカラー写真で教えてくれるので、とても 分かりやすいです。
 
 どの種類の花はどこを見れば鮮度の良し悪しが分かり、古い部分はどう取り除けば良いか…、などのことは勿論。
 水揚げにも深水(水揚げが良くない花や乾燥が進んだ花を三十分~一時間ほど水につける)・水切り(茎を水の中に入れた状態で斜めにカット)・切り戻し(水の中に入れないで斜めにカット)・逆水(葉の裏側から水を吹き付ける。あじさいなどに向く)など様々なやり方があって、たとえば繊維が固くて水揚げが難しい枝もの・ツルものは茎の先端をハサミの持ち手などで叩いた上で深水をしたり、先に茎を斜めにカットしてから割りを入れると水揚げ効果がアップする…、などのことも教えてくれます。
 アジサイは茎の先端を十文字に割りを入れたり茎の先端の白い綿のような部分をえぐると水揚げ効果がアップするということや、ブルースター・ポインセチア・スノープリンセスなど切ると白い液が出てくる花は白い液が導管を詰まらせてしまわないように白い液をよく洗い流して一時間ほど水につけてからアレンジ、など、わたしにとっては目から鱗なことばかり書いてありました。
 もっと早くこの本と出会っていたら、今まで活けてきた花たちを短命にせずに済んだのかも、とわたしは反省しました…。
 
 また、フラワーアレンジメントの例などは勿論、葉や茎を使った花留め方法や、主役として使える花材・高さや流れを出す花材…などの花図鑑も掲載されているので、非常に重宝する一冊です。

きゃりーぱみゅぱみゅ『にんじゃりばんばん』2013年5月6日 音楽

 いやー、定期的に聴かないとこの曲の禁断症状を起こします。
 最近いろんな折々で聴いてます。

 聴いていて、楽。
 有名になってしまったアーティストにありがちな変な主義主張を押しつけられることなく、素直に楽しめる。
 しゃきん!と、手裏剣をイメージした音のキレの良いこと。
 「にんじゃりばんばん♪」という歌声の楽しそうなこと。

 観て、KAWAII!
 くのいちの格好というと、どうしてもエロイ感じが滲んでしまうものですが、きゃりーぱみゅぱみゅちゃんはただひたすらにKAWAII道をぶっち切っているのであります。
 お姫さまの格好もなんとまぁKAWAIIことでしょうか。

 この曲は作詞も作曲も中田ヤスタカ氏が手掛けているのだから、他のアーティストでもこの曲は生まれてくるかもしれません。
 しかし!
 きゃりーぱみゅぱみゅちゃんだからこそこの曲が活きてくるんだ!
 と思うと、余計にこの曲の虜になってしまいます。

『宮~Love in Palace』 vol.2 [DVD]2013年5月5日 TV

 お妃教育がどんな風に行われるのかと楽しみにしていたのに、意外にもあっさりと、ヒロインは王子様と結婚してしまいました!
 けれど「未成年だから」という理由で、初夜の儀式は行われず。
 そりゃ確かに、ヒロインも王子様も高校生という設定なので、結婚したからといっても、性描写はなかなか難しいのかもしれません。
 それに、結婚したのにプラトニックな関係、というのは面白いかもしれませんね。
 形だけの夫婦だからこそ、ヒロインと王子様の関係が今後どう変化していくのか気になります。

 それにしても、ヒロインの両親がヒロインに戒めの言葉を説く結婚式のシーンは、心にグッときました。
 

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』2013年5月4日 お奨めの本・参考書・問題集など コメント (2)

 赤松(通称アカ)、青海(通称アオ)、白根(通称シロ)、黒埜(通称クロ)、そして多崎つくる。
 彼は、この仲良し五人組の中で唯一、名前に色の名が入っていないということと、個性という名の色彩が希薄であることを引け目に感じていた。
 彼は突然、何の理由も教えて貰えぬまま、四人から拒絶された。
 彼は、四人と決別せざるを得なくなった日から16年以上の時を経た今、真実を知るためにかつての4人のうちアオ、アカ、クロを訪ね、思いもしなかった事実を知ることになる…。
 …というのが、わたしなりにまとめたこの小説のあらすじです。

 物語のまだまだ序盤で、「人間は一人ひとり自分の色というものを持っていて、そいつが身体の輪郭に沿ってほんのり光って浮かんでいるんだよ」(P87)という文があり、わたしは「えっ。この本のタイトルから察するに、多崎つくるにはその色彩が無いのかもしれない。するとそれはどういう意味なの?」とドキリとして、物語に引き込まれていきまいました。
 しかし、誰しもそれぞれの色彩があるのだということや、アオにとってもアカにとってもクロにとっても実はつくるは好ましい人間であった、ということが明かされ、わたしは読んでいてホッとしました。

 色彩が無いなら無いで、それもまた一つの色。
 そしてその色は、他の色彩たちが持たない価値を持っている、ということなのでしょうか。

 だとしたら、過去というのは、たとえ既に色褪せてしまっているかのように思えたとしても、本当は色褪せず、いつまでもいつまでも決して消えることのないものなのかもしれません。

 わたしは、沙羅がつくるへ言ってくれた言葉がとても好きです。
 「鮭はとても長く旅をする。特別な何かに従って」「『スター・ウォーズ』は見たことある?」「フォースと共に歩みなさい」「鮭に負けないように」(P238から抜粋)

 わたしも過去への巡礼の旅に出掛けてみたくなりました。

 多崎つくるはきっとこれからも駅舎を作る仕事を続け、駅を行き交う人々を見守るでしょう。
 わたしも、自分自身や他の人の人生の、様々なポイントの一つ一つを大切にする人間でありたいです。

川村妙慶『女の覚悟 ひとり悩むあなたへ贈る言葉』2013年5月3日 お奨めの本・参考書・問題集など

 真宗大谷派の女性僧侶・川村妙慶さんの本。
 一人で頑張らなくてもいい、みんなに助けてもらったらいい、というスタンスのもと、失恋・浮気・不倫・不妊治療・介護…などといった様々な悩みに丁寧に答えてくれています。
 「教経は鏡なり」、無有代者、諸行無常、「愚者になりて往生す」など仏教の言葉も登場しますが、堅苦しい表現を使わずそれぞれの言葉をわかりやすく説明してくれています。
 自分自身のことも織り交ぜながら話してくれているので、わたしはこの本を読んでいて「僧侶も悩むんだ、ならわたしも悩みがあって当たり前だな。あー、悩みがあるという悩みが消えたぞ」となんだかホッとしました。
 
 「女の覚悟。それは、一つのきっかけから、もう一度スタート地点に返るということなのではないでしょうか。そして、「これで良かった」と、宣言できることが、覚悟なのです」(P251から抜粋)という文が、潔くて好きです。

石田衣良『マタニティ・グレイ』2013年5月2日 お奨めの本・参考書・問題集など コメント (2)

 結婚はしているけれど、子どもは望んでいないどころか元々大嫌いで、仕事が楽しくなってきたばかりで、一家の大黒柱としてマンションのローンを払っていかねばならない女性編集者が妊娠してしまった! というストーリー。
 妊娠して万歳! という訳では決して無かったけれど、それでも彼女は彼女なりに妊娠と向き合っていきます。
 自分を精神的に縛り付けようとする両親との対峙。
 会社に産休育休制度が無いために、仕事を失うかもしれない恐怖との直面。
 「だったら、どうしろっていうの? この国は少子化で、どんどん子どもを産むように奨励しているんじゃないの?」(P54~55から抜粋)という彼女の苦悩は、現実世界の女性の多くが抱く悩みと言えるでしょう。
 福利厚生がしっかりしている企業に勤められる女性はひとにぎりなのですから。
 彼女は会社とのたたかいを決意します。
 その結果、思いのほかあっさりと産休育休制度が出来ました。声をあげるのって大事ですね。
 それから彼女は、自分の会社が作っている雑誌に、妊娠出産についての署名コラムを連載し始めます。
 流産した女性とのやりとりや、汚い策略で仕事を奪おうとする男とのたたかいや、両親とほんの少しだけではあるけれど最後に和解したかのような様子も描かれます。
 全ては赤ちゃんが与えてくれたもの、なのかもしれません。

 「すべての人には、親がいる。誰も自分自身を産むことはできない」(P217から抜粋)という文が、妙にわたしの心に焼き付きました。

『宮~Love in Palace』 vol.1 [DVD]2013年5月1日 TV

 もしも現代の韓国が立憲君主制だったら、という、もしもボックスから飛び出したような有り得ない設定だけれど、面白いドラマです。
 普通の女子高生が突然王子様と政略結婚することになった、という、少女漫画的王道ストーリーも、「もしも本当に現代の韓国が立憲君主制だったらこんなのもあり得たりして…?」と思わせることで、何倍も楽しめます。
 皇太后がテレビで韓国ドラマを見ているシーンもあって、「なるほど、きっと皇太后も韓国ドラマに夢中になるものね」とわたしは妙に感心させられました。
 
 ヒロイン自身がシンデレラストーリーを望んだわけではない、というのも見どころの一つ。
 ヒロインが王子様のことを全く好きではない、というのは、この手のドラマとしては珍しいですよね。
 ヒロインはデザイナーになりたいという夢を抱いていたのに、金銭的に困窮している実家を助けるために、「わたしは孝女沈清なのよ」と言って嫁ごうとするのです。
 何だかけなげ…。
 
 ※孝女 沈清とは※
 盲目の父親を治そうとして海に身を投げた女性。

 では王子様の方はどうかというと、王子様の方も全くヒロインのことを好きではないのです。
 これもこの手のドラマとしては珍しいですよね。
 王子様には実は好きな女の子がいるのですが、その好きな女の子には「世界的なバレリーナになるという夢を諦めたくない」と振られてしまいました。
 王子様は「愛する女性を宮中に閉じこめたくない」と決意し、ヒロインと結婚しようとするのです。 

 そのうちヒロインが王子様を、もしくは王子様がヒロインを好きになることがあるのでしょうか?

新美南吉 『てぶくろをかいに』2013年4月15日 お奨めの本・参考書・問題集など コメント (2)

 かあさんぎつねは子ぎつねに手袋を買ってやりたいけれど、人間に対して嫌な思い出があるので、子ぎつねだけで買いに行かせることにする。
 かあさんぎつねは、子ぎつねの右手を人間の子どもの手に変えて、「にんげんって、ほんとにおそろしいものなんだよ」「にんげんの手のほうをさし出すんだよ」と言い含める。
 それなのに子ぎつねは手袋を買う時、きつねの手のままの左手を人間にさし出してしまう。
 でも人間はちゃんと手袋を売ってくれた。
 それで子ぎつねは人間に興味を持つ。
 人間も、かあさんぎつねがしてくれるのと同じように、子どもを優しい歌声で寝かしつけていたし、人間もまた、森の子きづねの暮らしを想像していた。
 かあさんぎつねは、子ぎつねから「かあちゃん、にんげんってちっともこわかないや」と話を聞いて呆れて、「ほんとうににんげんは、いいものかしら。ほんとうににんげんは、いいものかしら」と呟く。

 …と、以上がこのお話のあらすじですが…、大人になってからこのお話を読み返すと、なんとも言えない気持ちになります。
 
 特に今の世界情勢を考えると、なおさら。

 わたしには、きつねと人間のお話、ではなく、人間と人間のお話であるかのように思えて仕方がないのです。
 
 お互いのことを想像することが出来たなら、民族間と言えばいいのか国家間と言えばいいのか分からないけれど、おかしないがみ合いが無くなるような気がします。
 
 もちろん新美南吉さん本人はそんな哀しいメッセージなんて、このお話には込めてはいないだろうけれど。

 子どもたちが、まさに手袋をはめているようなあたたかな気持ちでこのお話を読める、そんな世の中にしていきたいです。
 しないといけない。
 今のように子どもたちがミサイルや放射能におびえる世の中ではいけない。

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