少しシュミレーションしてみましょう。
 あなたは最愛の恋人を病気で亡くし、自身も後を追うようにこの世を去りました。ところが死の世界で、あなたは彼女に逢うことは出来ませんでした。既に彼女は別の人間に生まれ変わってしまっていたからです。19年という年月が経ち、あなたは下弦の月、ラストクオーターの奇跡により現世に蘇ります。初めは、ただ彼女に逢えるだけで良かった。違う人間になっても、彼女は変わらずあなたを愛してくれた。ところがあなたは、彼女が現世で幸せではないことに気づくのです。
 死の世界に戻らなければならないタイムリミットが迫っています。
 あなたなら、どうしますか。
 彼女を連れていきますか?
 

 アダムは、美月を連れていかなかった。正確には、連れていこうとしたけれど、連れていかなかった。今の彼女を愛している人たちの存在に気づいたから。前世の記憶を取り戻して泣く美月に、アダムはこう言います。
 「さよならミヅキ 愛してる」
 そしてそっと、彼女を呪縛から解き放った。もう二度と逢えないかもしれないと知っていながら。
 
 この漫画すごく好きなんです。相手を自分から解放するのも愛の一つの形と言えるでしょう。今年の秋に映画が公開されたので、DVDやビデオのレンタル開始が待ち遠しいです(キャストも豪華ですし)。りぼんコミックスですが大人の心をも打つ作品ではと思います。一度読んだ後、上のシュミレーションのように、アダムの視点で読み直すのもお勧め。
 切ない話が好き、という方に^−^

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