音楽の変遷によりヨーロッパの中世後期から近世にかけての歴史を考えようとする本。第一章の「楽譜 音の記譜法」で、地球と金星はアルト、水星はソプラノといった風に惑星たちが天の音楽を宇宙に鳴り響かせていると考えた、ヨハンネス・ケプラーから紹介しているのがとても印象的です。土星と木星はバス、火星はテノール・・・自分たちが地球というアルトパートの音符の一つ一つだと考えると楽しいですね。ハート形の五線譜の存在、初めて知りました。かわいらしい・・・けれど演奏する方は見にくい(苦笑)。激しく鋭い音(「オー」)と優しく穏やかな音(「バ」)とが分けられ始めたのは十四世紀以降から(「クレオマデス」で楽器の区分を行っていることから、十三世紀からも既に窺える)、作曲家が俗謡から定旋律(テノール)をとったりするなど(それまでは聖歌からとっていた)聴き手に受ける音楽を作り始めたのは十五世紀、など知識を豊富にしてくれます。日本においても鐘の音はあの世とこの世を繋ぐものだ、という考え方も驚き。
 専門的で難しいですが、挑戦する価値はあります☆

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