御輿員三 「神と悪魔との間で 『楽園喪失』論 英詩考その二」
2005年6月14日 おすすめの本一覧 ミルトンの「楽園喪失」の考察本。英・日対訳つきで、声に出して読む楽しさも味わえます。「楽園喪失」というテーマに対する興味をより刺激されました。ルシファー、ラファエル、アダム、そしてイヴ。それぞれの姿やしぐさが見え、声が聴こえるようでした。特にルシフェルはとても生き生きとしている。共に地獄に堕とされたバアルゼブブに言った、「全てを失ったわけではない」というセリフ。楽園に侵入し、イヴの夢に現われて、「食べてならないとすればどうしてここにあるのか」と実とイヴに語りかけ、実を口にしている。何とも格好いい。大きな収穫だったのは、ずっと昔から存在を知っていた天使の名がアブディエルというのだと知れたこと。ルシフェルが一番ついて来て欲しかったのは多分この天使でしょう。最高位天使だったルシフェルの副官だった可能性もあるこの天使は、ルシフェルと対立。彼は動揺し反撃しますが、彼女は彼の堕天後も天界に留まっています。バアルゼブブも登場、人間世界に対し悪だくみを行います。終始楽しんで読めました☆ P99の神の子の申し出は崇高でもあり悲しくもあります。
「私ではいかがでしょうか。人間の代わりに私では」
P8〜13の詩も必読です☆
「私ではいかがでしょうか。人間の代わりに私では」
P8〜13の詩も必読です☆
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