人気のはずだ、と思いました。ハードボイルド小説に馴染みのないわたしでも一気に惹きつけられ、今日一日で読み終えてしまいました。騙し騙され、殺し殺される、裏切り合い、心理戦、恋人や身内さえ切り捨てる感情まで描かれている。来て欲しい時に来て欲しいものが来るというか、作り手の馳さんは小説の書き方を熟知していると思います。作り手のミスに気を取られずに安心して読める本は少ないのですが、この作品はその中の貴重な一つ。これがデビュー作とは驚嘆に値します。ただ、結末が予想できたのが残念。この結末できれいにまとめたからこそヒットしたのかもしれないのですが・・・。主人公の過去に関する記述も、必要以上に多い上に位置も多少読者を混乱させる配置のような気が致します。
 脇役なのですが、好きな女さえずたずたにしてしまう残虐なナイフ使い、呂方が強烈に印象に残りました。容貌の描写といい(低身長で女の子のような顔、サラサラの髪でオールバックw/←爆)過激な言動といい振る舞いといい。早めに死んでしまって残念なキャラクターでした。
 続編とはどの作家のものでも精彩を欠くものが多いのですが、「鎮魂歌」もいずれ読んでみたいです。

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