人魚姫の物語って

2005年12月20日
 不幸な物語だと、思っていた。
 でも気づく。
 そもそもわたしはなぜ、人魚姫は不幸だ、と思っていた?
 愛したのに愛されないから?
 王子様が違う人を愛したから?
 最後に王子様を殺せずに、泡になってしまうから?
 ただ単純に、それだから不幸だと思っていた。
 王子様はひどい、人魚姫はこんなに愛したのに、と。
 でも違う。
 殺さなければ自分が死んでしまうけれど、それでもいい、と思えるほどに愛する人と出逢えた人魚姫は。声がないから、自分の愛は、伝えられなかったけれど。
 決して不幸ではなかったと思う。
 そもそも、もしも人魚姫が王子様を殺してしまったとしたら、この物語はこんなに長く語り継がれてはいないだろう。
 振り向いてもらえなくてもいい。
 忘れられてもいい。
 あなたが生きていて、幸せでいてくれたら、それで。
 そう微笑んで消えるから、こんなにもこの物語は美しい。

 人魚姫の愛の深さ、今まで気づきませんでした。
 恥ずかしい・・・。 

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