最初の3ページ読んだだけで「参りました」と思いました。川端康成さんの作品を読むのはこれが初めてです。その死によって未完となった「たんぽぽ」。
 他の作家と全然違う。「表現している」文章じゃない。これは、深い深い水の中に石を落として、沈んでいた砂が舞い上がって、それをすくい取っている感じ。「本質」の文章だ。誘うような狂気ではなく、「本質」という絶対的なものを書ける作家は数少ない。わたしは、まるでピカソの元を訪れた若者のように、筆を折りそうになりました。折ろうとしても折れないですけど。
 「たんぽぽ」が完結していたとしたら・・・、きっと三人は一緒に鐘を撞いているんだろうなぁ。川端さん、続きを教えてくださいな。

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