※注意※ 完全にネタバレしてます!

 小学何年生のことだったのかな、あの夜は。姉にこの本をもらって、一気に読んで、ダーッと泣いてしまって、小説が大好きになったのは。今読み返しても、やっぱり泣いてしまいました。
 ヒロインはリーアという女の子。彼女は死ななきゃならない。死んでしまうのではなく、死ななくちゃいけない、今度こそ。彼女は「人間に生き続ける資格があるかないか」を判断するために期間限定で蘇らされた死びとで、しかもエイリアン。この小説の設定だと地球上の総ての人間の先祖は、彼女の星から移住してきた人々。移住計画の発案者はよそものの自分たちが地球を汚したら自分たちで始末をつける、と考えました。発案者は、その時既に死んでしまっていた娘、リーアを「始末」のために復活させるのです。彼女が人間には生きる資格がない、と一言言えば、人間は滅亡します。
 彼女は既に死んでしまっているため身体がありません。そのため他の女の子の身体を借ります。彼女は生前自分が行きたくて生きたくてたまらなかった地球を汚されたことに物凄く怒ります。人間には生きる資格なし、と決断しようと考えます。でも彼女は恋をしてしまいました。星を見ている男の子。彼女は彼を殺したくないんです。彼は、もう自分の身体がなく他人の身体を借りてここに居るに過ぎない彼女を、好きだと言ってくれるんです。彼女は、人間には生きる資格がある、と言おうと決めます。それを言うまで彼のそばで生き続けます。そしてそう言います。
 でも、生まれ変わります。また、彼に逢います。
 「リーアが死んじゃった!」と泣いて、「また逢えた!」とわたしは今度は嬉し泣きしました(笑)。ラストで彼女が、本当は自分を蘇らせた父親は、病弱で短命だった彼女に普通の女の子として生きさせてくれたのだ、と気づいたところにもまた、愛を感じるのです。
 この小説の中に、「この星に生まれたことを、僕は誇りに思う。」という言葉があるのですが・・・、わたしもそう思います。この星に生まれて本当に良かった。

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