寺山修司さんは何を思っていたのか。それはやはり作品に表れるはずなのだけれど、寺山さんは巧妙に隠している気がする。母親について語る時も同じ。性の目覚め、夢と影、何を語っても。きっと、生涯それと闘っていたのだろう。彼の醒めた眼にはクリアーに絶望が見えていて、それをずっと見つめていたのだろう、と。他の天才たちと違い狂気の世界に逃れることをせず生きた生涯は、不幸だったのか幸福だったのかわからない。境界線の上に立つのは苦しい、彼が言うように「自分の輪郭がなくなっていく」から。けれど、自己を肯定も否定もしない、「2+2(荷と荷)は4(死)になってはいけない。少なくとも3(産)であるべきだ」と言う彼の姿勢を、わたしは好ましく思う。
できるならお会いしたかった方の一人。
できるならお会いしたかった方の一人。
コメント
視点がまったく違うなとは思ったよ
視点が他の作家さんと違うよね〜。