いわゆる極限状態もの。主人公たちは工場に監禁されます。工場内では遺体を蘇らせる研究が行われていて、主人公の死んだ双子の妹も実験体として蘇ってしまいました。しかし彼女は生前の彼女ではない。主人公たちは監禁生活の中で、肉体的にも精神的にも追い詰められていきます。
 「パートナー」というこのタイトル。初めて読んだ時には双子同士の絆を描いているからかな、とだけ思っていたのですが、久々にまた読んでみて、新たな感想を抱きました。人は誰かをパートナーだと思わないと生きていけないのだな、と。たとえ相手が本当は他の人のパートナーであったとしても求めてしまうし、相手を失わないために何だってできてしまう。苗ちゃんは武くんを救うために48時間立ち続けたし、賢くんはもしかしたら萌ちゃんを実験から解放したくて一緒に海に落ちていったのかもしれない。そして東條博士は多分、自分の目の前で自殺した恋人の遺体を、実験体にすることも葬ることもできずにいる。
 と、何だか辛いだけの物語であるかのように書いてしまいましたが、救いもちゃんとありますのでご安心を。思春期の方に読んで欲しい漫画の1つです。辛いことがあっても人は乗り越えていける、読む度にそう言ってくれるから。

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