2巻で椎名が言う「心は自由だよ」という言葉によって、この漫画の世界はぱっと広がったように思います。
 主人公は死刑囚・田嶋良平、通称042(おしに)号。死刑に代わる新制度の実験に協力するため外の世界で暮らし始める。仕事は高校での植物の世話など。生活は常に管理下に置かれ脳には人を殺そうとすると爆発するチップが埋め込まれている。外にいても彼は変わらず死刑囚なのです。しかし、時々彼を一人の人間として見る人が現れる。恋愛の対象としてさえも。彼は悩みます。自分には未来がない。そこで実験のチーフである椎名がかける言葉が「心は自由だよ」なのです。
 その椎名自身も自分が田嶋をだんだん人間として見るようになってきたことを悩んでいる。役割との戦い・・・と言えば良いでしょうか。自分と自分の役割との境を見失うがゆえの戦い。読者について死刑制度の是非や生と死などを問いたいのではなく、作者が描きたいのはそういう葛藤ではないかなと見るとこの漫画の奥行きは広がります。心を、自由に。
 まとめ。内容としては死刑囚を主人公とした人間ドラマ、です。先ほども申しました通り死刑制度の是非や生と死などはメインに置かれていません。メインテーマはないと断言もできます。しかもあまりにも田嶋さんが良い人すぎて、今までにない主人公像を提案することにも失敗している。個人的には役割との戦いや心は自由ということを感じさせて好きな漫画ではあるのですけど。残念です。奥行きはあっても深さと暗さがない。とは言えこの作家さん、女性を描くのがうまいと思います。肌はしっとり、体はぽよぽよ。髪の毛はさらさら。ヒロインの一人、ゆめちゃん可愛いです。人妻のあやのさんも胸が重そうな感じが出てる。オヤジなわたしはここに高評価をしたいと思います。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索