その人に出逢えたから、自分を愛せるようになった。心臓の音は「ただ動くもの」から「心」になった。
 からくりサーカスの世界はそんな想いで満ちています。人間対人形の戦いが悲惨になり過ぎないのはそのせいかもしれません。
 しかし人形たちも悲しみを負っています。
 人形たちは動き続けます。フランシーヌ人形を笑わせるため。「ゾナハ病」を振りまきながら。続く真夜中のサーカス。
 ・・・その中の一体、コロンビーヌに出逢わなければわたしは人形というものを愛することもなかったでしょう。コロンビーヌ。優雅で強くて美しくて恋愛小説が好きで、いつか人間の男に愛されてみたいと言う彼女は冷酷で。少女の体に変えられた後、主人公・勝と出逢い彼を好きになるけれど、勝はエレオノール(しろがね)が好き。彼女は最後、二人を助けるために力を使い果たし停止。あたたかさなんて感じないはずなのに、「人間の肌ってこんなにあったかいんだね。きもちいいんだね」と笑いました。勝に抱きしめられた時も「やっと男の人に、抱きしめてもらっちゃったア」と笑っていました。本当に幸せそうに。

 『からくりサーカス』連載終了おめでとうございます。

 Kaggra,の『傀儡の躁鬱』を聴いていて、昔読んだこの漫画を思い出し読み返してみました。師父の言う言葉に改めて心打たれたので画像には16巻を選びました。偽りの人生を生きない。演じない。自分のまま。教えてくれることがたくさんある漫画です。

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