ドン・マンシーニ監督 『チャイルド・プレイ チャッキーの種』
2006年8月1日 映画
お馬鹿映画かと思いきや、アイデンティティの問題に迫っています。
主人公は前作で誕生したチャッキーとティファニーの子ども。この子も人形です。前作で2人が死亡したため親子は離れ離れになっていたのですが、子どもが2人の魂を人形の中に復活させたため感動の親子初対面となりました。自分に子どもがいると知ってチャッキーがひっくり返るのが面白いです。ティファニーはすぐに子どもを抱きしめるのですけれど。ティファニーは「親になった以上殺しをやめるわ」と誓います。結局は衝動に負けて殺してしまうのですが、殺さないよう彼女なりに我慢しますし殺した後は後悔します。しかしチャッキーは殺人鬼で在ることをやめようとせず殺しを楽しみます。この違いが結末に関係します。
父親であるチャッキーは男の子を望み子どもを「グレン」と呼び、母親であるティファニーは女の子を望み子どもを「グレンダ」と呼びます。子どもの性は2つに引き裂かれてしまいました。両親が口汚く喧嘩したり人を殺しているところを目の当たりにし、両親に「パパには(or)ママには秘密だよ」と秘密の共有を迫られるなどして、子どもは不自然にパチパチ瞬きするようになります。明らかにチック症です。チャッキーとティファニーは人間の体に乗り移るため準備を始めます。自分たちのために大人の男女を用意、子どものためには赤ちゃんの男女を用意しました。両親に「男か女か選びなさい」と言われ、子どもはパニックに陥ります。自分は何なのか。人形? 人間? 自分は誰なのか。グレン? グレンダ? 自分は男なのか女なのか? 子どもが選択したのは引き裂かれたままであること。自分を2つにして、2人の赤ん坊の中に入っていったのです。男の赤ん坊はとても優しい子に成長しましたが、女の赤ん坊は人を傷つけたり物を奪う子に成長しました。
1〜3作目はホラー。前作である4作目はコメディ(スプラッタコメディとでも名づけましょう)。だから今作もコメディかと思いきや意外に社会風刺的な映画です。わたしはこの映画によって、もしも自分がいつか親になったら子どもに物事を強要せずありのままの子どもを受け入れる親になりたいと切に願うようになりました。
蛇足の扱いになってしまいますが、ジェニファー・ティリーの演技がすごいです! 本人役を熱演。「尻軽のイメージを裏切ったら仕事をほされるの」というセリフには実感がこもっているように感じました。
アイデンティティ・・・。まさか『チャイルド・プレイ』シリーズを観てアイデンティティについて考えることになるとは!
主人公は前作で誕生したチャッキーとティファニーの子ども。この子も人形です。前作で2人が死亡したため親子は離れ離れになっていたのですが、子どもが2人の魂を人形の中に復活させたため感動の親子初対面となりました。自分に子どもがいると知ってチャッキーがひっくり返るのが面白いです。ティファニーはすぐに子どもを抱きしめるのですけれど。ティファニーは「親になった以上殺しをやめるわ」と誓います。結局は衝動に負けて殺してしまうのですが、殺さないよう彼女なりに我慢しますし殺した後は後悔します。しかしチャッキーは殺人鬼で在ることをやめようとせず殺しを楽しみます。この違いが結末に関係します。
父親であるチャッキーは男の子を望み子どもを「グレン」と呼び、母親であるティファニーは女の子を望み子どもを「グレンダ」と呼びます。子どもの性は2つに引き裂かれてしまいました。両親が口汚く喧嘩したり人を殺しているところを目の当たりにし、両親に「パパには(or)ママには秘密だよ」と秘密の共有を迫られるなどして、子どもは不自然にパチパチ瞬きするようになります。明らかにチック症です。チャッキーとティファニーは人間の体に乗り移るため準備を始めます。自分たちのために大人の男女を用意、子どものためには赤ちゃんの男女を用意しました。両親に「男か女か選びなさい」と言われ、子どもはパニックに陥ります。自分は何なのか。人形? 人間? 自分は誰なのか。グレン? グレンダ? 自分は男なのか女なのか? 子どもが選択したのは引き裂かれたままであること。自分を2つにして、2人の赤ん坊の中に入っていったのです。男の赤ん坊はとても優しい子に成長しましたが、女の赤ん坊は人を傷つけたり物を奪う子に成長しました。
1〜3作目はホラー。前作である4作目はコメディ(スプラッタコメディとでも名づけましょう)。だから今作もコメディかと思いきや意外に社会風刺的な映画です。わたしはこの映画によって、もしも自分がいつか親になったら子どもに物事を強要せずありのままの子どもを受け入れる親になりたいと切に願うようになりました。
蛇足の扱いになってしまいますが、ジェニファー・ティリーの演技がすごいです! 本人役を熱演。「尻軽のイメージを裏切ったら仕事をほされるの」というセリフには実感がこもっているように感じました。
アイデンティティ・・・。まさか『チャイルド・プレイ』シリーズを観てアイデンティティについて考えることになるとは!
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