長年の疑問がすっきりしました! 「ジャイ子と結婚してもしなくてもセワシが生まれる謎」。
本来、セワシはのび太とジャイ子の孫の孫。のび太とジャイ子が結婚しなければセワシの曽祖父も祖父も父も誕生しないので、セワシは生まれないのでは? ドラえもんが来ることでのび太はしずかちゃんと結婚するのに、セワシがいなくなるとドラえもんがのび太の家に来ることもなくなってしまう。そうなると予定通りのび太はジャイ子と結婚するので、セワシ誕生! 誕生したセワシはドラえもんを送り出して消滅、誕生を繰り返すということでしょうか。うーん、まさにSFな循環。
この疑問について、この本は1つの答えを出してくれました。のび太が「ぼくの運命が変わったら、きみは生まれてこないことになるぜ」(単行本1巻P18)と聞いた時のセワシの返事を分析することで答えを導き出しています。セワシの返事は「心配はいらない。ほかでつりあいとるから」(同上)。
のび太はセワシの父方の先祖なので、セワシが生まれるためにはまずセワシの父を誕生させなくてはなりません。父の配偶者である母はのび太と血はつながっていないわけですから。セワシの父を誕生させるには祖父が必要。この場合も祖父の配偶者はのび太と関係なし。さてここからが問題。セワシの祖父が誕生するためには曽祖父つまりのび太の子どもが誰かと結婚しなければなりません(別に結婚しなくたって子どもは生まれるわけですけど、夢を持ちたいですね)。
本来のセワシの曽祖父はのび太とジャイ子の間に生まれる子どもで、名前は公表されていません。この子の配偶者もまたのび太と血はつながっていません。注目すべきは、のび太としずかちゃんの間に生まれる子どもノビスケ。セワシが生まれるためには前述の通りノビスケも誰かと結婚しなくてはなりません。ここでセワシの言った「ほかでつりあいとるから」の意味が判明します。ノビスケがジャイ子の娘と結婚すれば良いわけです! こうすればのび太とジャイ子が結婚しなくても、セワシはのび太とジャイ子の孫の孫になれるのです。曽祖父が生まれるにはのび太の血をついだ父とジャイ子の血をついた母がいれば良いだけで、ジャイ子の血をどれくらいついでいるかは関係なし・・・なのでしょうか?
むむ。破綻してきました。この理論は遺伝の法則を無視しています。ジャイ子の娘とはいってもその子はジャイ子と誰かの間の子どもであり、ジャイ子の誰かである配偶者の遺伝子が加わってしまいます。万が一ジャイ子が単性生殖して(ヒト科ヒトなのに)配偶者なしで子どもを生んだ場合でも、ノビスケにはしずかちゃんの遺伝子が入っているのでセワシの曽祖父はのび太とジャイ子の間の子どもとは違う遺伝子構造になってしまいます。ゆえにたとえセワシがのび太とジャイ子の孫の孫であったとしても、セワシの曽祖父は誕生せず祖父も父もセワシも生まれない!
長々と考えた末にわたしがたどり着いた結論は、この本が掲げたのび太の子どもとジャイ子が結婚する説はどうも違う、ということ。
簡潔な答えをここで出したいです。なぜタイムパトロールがセワシとドラえもんを逮捕しないのか考えてみましょう。歴史を変えようとすれば逮捕されるはず。ではなぜ逮捕されないのか。セワシとドラえもんがのび太の前に現れ、のび太がしずかちゃんと結婚しノビスケが生まれ代を重ねてセワシが生まれる、それが正しい歴史だからです。考えてみれば、のび太とジャイ子が結婚するという未来はセワシやドラえもんがのび太に伝えたものであって、のび太が実際に経験したものではありません。ひみつ道具によってこのままいくと自分はジャイ子と結婚するのだ、何とかしなきゃ、と信じているのび太ですが、あれはセワシとドラえもんがひみつ道具に細工して作ったニセモノの未来なのではないでしょうか。セワシはのび太が多額の借金を作ったために孫の孫である自分まで苦労していると言っていますが、少なくとも現在の日本の民法では相続の破棄ができるので、セワシはのび太の子どもに相続破棄を勧めるだけでも良いはず。また、借金を作った時ののび太に自己破産を勧めても良いでしょう。なぜそれをしないのか。それはセワシが裕福だから。いくら何でも家庭にドラえもんとドラミちゃん、合わせて2体のロボットを持っている家庭が貧乏でしょうか。お金に困っているなら売っているはず。タイムマシンも持っていないでしょう。ゆえにタイムマシンとドラえもんを所有しているセワシはのび太に言うような貧乏な生活をしていません。
つまりジャイ子と結婚する未来なんて最初から存在していなくて、のび太がしずかちゃんと結婚、結果としてセワシが生まれ、セワシはドラえもんと共にのび太の前に現れる・・・この歴史が元々のものであると言えます。
またここで新たな疑問が浮かびます。来る必要もないのに、なぜドラえもんはのび太の前に現れるのか?
それはきっと大人になったのび太が、ドラえもんが子どもの頃の自分に会いに来るように何らかのことをしたからだと思います。子どもや孫にそう頼んだのかもしれませんし、もしかしたらドラえもんに直接頼んだのかも☆ この本によると『ドラえもん』単行本プラス5巻のP186では45年後ののび太とドラえもんがごく普通に話している姿が描かれています。久しぶりに会ったという風ではなく、まるでいつも話しているかのように。つまり・・・ドラえもんはのび太とずっと一緒にいるのかもしれない♪ そしてのび太が死んでドラえもん自身がのび太に会いたくなったり、子どもの頃の自分のところへ行くようにのび太が言い残したなどの理由で、ドラえもんは子どもの頃ののび太のところへ現れたのかもしれない! セワシはその橋渡しとなる優しい子だったのです。のび太が知らないだけで、ドラえもんもセワシもドラミちゃんも、のび太を暖かく見守っていたのです。
そう思うと『ドラえもん』は物凄い感動作ですね。時代を超え世代を超え次元や種族をも超えた友情。さああなたも引き出しを開けてみませんか。大切なものが飛び出してくるかもしれませんよ☆(^∀^)
すみません、レビューになりませんでした。
いや、でもこの結論はこの本を読んでこの本が出した答えを検証したからこそ出た結論で・・・わ、わ、わ、許してください。
この本は他にも骨川家の資産状況について深読みするなどしています。意外と骨川家って切り詰めてるんですね。スネ夫がコンプレックスの塊であるということも判明しました。「恐竜をハンティングしたドラえもんはなぜ捕まらないのか?」(P204)など着眼点が新鮮。どうせならジャイ子の本名が明らかになっていないことやスネ夫の弟であるスネツグがなぜ養子に出されたかについても深読みして欲しかったのですが、十分楽しめる本です(前者については藤子先生自身が答えを出していて、「もしジャイ子に名前をつけてしまったら同じ名前の子がいじめられてしまうだろう。だからジャイ子には名前をつけなかった」のだそうです。後者については不明。ファンの間では、骨川家が人脈を築くために次男スネツグをお金持ちの家に養子に出したという説があります。スネ夫は長男なので骨川家に残されたとか)。
奥の深いマンガです〜。
本来、セワシはのび太とジャイ子の孫の孫。のび太とジャイ子が結婚しなければセワシの曽祖父も祖父も父も誕生しないので、セワシは生まれないのでは? ドラえもんが来ることでのび太はしずかちゃんと結婚するのに、セワシがいなくなるとドラえもんがのび太の家に来ることもなくなってしまう。そうなると予定通りのび太はジャイ子と結婚するので、セワシ誕生! 誕生したセワシはドラえもんを送り出して消滅、誕生を繰り返すということでしょうか。うーん、まさにSFな循環。
この疑問について、この本は1つの答えを出してくれました。のび太が「ぼくの運命が変わったら、きみは生まれてこないことになるぜ」(単行本1巻P18)と聞いた時のセワシの返事を分析することで答えを導き出しています。セワシの返事は「心配はいらない。ほかでつりあいとるから」(同上)。
のび太はセワシの父方の先祖なので、セワシが生まれるためにはまずセワシの父を誕生させなくてはなりません。父の配偶者である母はのび太と血はつながっていないわけですから。セワシの父を誕生させるには祖父が必要。この場合も祖父の配偶者はのび太と関係なし。さてここからが問題。セワシの祖父が誕生するためには曽祖父つまりのび太の子どもが誰かと結婚しなければなりません(別に結婚しなくたって子どもは生まれるわけですけど、夢を持ちたいですね)。
本来のセワシの曽祖父はのび太とジャイ子の間に生まれる子どもで、名前は公表されていません。この子の配偶者もまたのび太と血はつながっていません。注目すべきは、のび太としずかちゃんの間に生まれる子どもノビスケ。セワシが生まれるためには前述の通りノビスケも誰かと結婚しなくてはなりません。ここでセワシの言った「ほかでつりあいとるから」の意味が判明します。ノビスケがジャイ子の娘と結婚すれば良いわけです! こうすればのび太とジャイ子が結婚しなくても、セワシはのび太とジャイ子の孫の孫になれるのです。曽祖父が生まれるにはのび太の血をついだ父とジャイ子の血をついた母がいれば良いだけで、ジャイ子の血をどれくらいついでいるかは関係なし・・・なのでしょうか?
むむ。破綻してきました。この理論は遺伝の法則を無視しています。ジャイ子の娘とはいってもその子はジャイ子と誰かの間の子どもであり、ジャイ子の誰かである配偶者の遺伝子が加わってしまいます。万が一ジャイ子が単性生殖して(ヒト科ヒトなのに)配偶者なしで子どもを生んだ場合でも、ノビスケにはしずかちゃんの遺伝子が入っているのでセワシの曽祖父はのび太とジャイ子の間の子どもとは違う遺伝子構造になってしまいます。ゆえにたとえセワシがのび太とジャイ子の孫の孫であったとしても、セワシの曽祖父は誕生せず祖父も父もセワシも生まれない!
長々と考えた末にわたしがたどり着いた結論は、この本が掲げたのび太の子どもとジャイ子が結婚する説はどうも違う、ということ。
簡潔な答えをここで出したいです。なぜタイムパトロールがセワシとドラえもんを逮捕しないのか考えてみましょう。歴史を変えようとすれば逮捕されるはず。ではなぜ逮捕されないのか。セワシとドラえもんがのび太の前に現れ、のび太がしずかちゃんと結婚しノビスケが生まれ代を重ねてセワシが生まれる、それが正しい歴史だからです。考えてみれば、のび太とジャイ子が結婚するという未来はセワシやドラえもんがのび太に伝えたものであって、のび太が実際に経験したものではありません。ひみつ道具によってこのままいくと自分はジャイ子と結婚するのだ、何とかしなきゃ、と信じているのび太ですが、あれはセワシとドラえもんがひみつ道具に細工して作ったニセモノの未来なのではないでしょうか。セワシはのび太が多額の借金を作ったために孫の孫である自分まで苦労していると言っていますが、少なくとも現在の日本の民法では相続の破棄ができるので、セワシはのび太の子どもに相続破棄を勧めるだけでも良いはず。また、借金を作った時ののび太に自己破産を勧めても良いでしょう。なぜそれをしないのか。それはセワシが裕福だから。いくら何でも家庭にドラえもんとドラミちゃん、合わせて2体のロボットを持っている家庭が貧乏でしょうか。お金に困っているなら売っているはず。タイムマシンも持っていないでしょう。ゆえにタイムマシンとドラえもんを所有しているセワシはのび太に言うような貧乏な生活をしていません。
つまりジャイ子と結婚する未来なんて最初から存在していなくて、のび太がしずかちゃんと結婚、結果としてセワシが生まれ、セワシはドラえもんと共にのび太の前に現れる・・・この歴史が元々のものであると言えます。
またここで新たな疑問が浮かびます。来る必要もないのに、なぜドラえもんはのび太の前に現れるのか?
それはきっと大人になったのび太が、ドラえもんが子どもの頃の自分に会いに来るように何らかのことをしたからだと思います。子どもや孫にそう頼んだのかもしれませんし、もしかしたらドラえもんに直接頼んだのかも☆ この本によると『ドラえもん』単行本プラス5巻のP186では45年後ののび太とドラえもんがごく普通に話している姿が描かれています。久しぶりに会ったという風ではなく、まるでいつも話しているかのように。つまり・・・ドラえもんはのび太とずっと一緒にいるのかもしれない♪ そしてのび太が死んでドラえもん自身がのび太に会いたくなったり、子どもの頃の自分のところへ行くようにのび太が言い残したなどの理由で、ドラえもんは子どもの頃ののび太のところへ現れたのかもしれない! セワシはその橋渡しとなる優しい子だったのです。のび太が知らないだけで、ドラえもんもセワシもドラミちゃんも、のび太を暖かく見守っていたのです。
そう思うと『ドラえもん』は物凄い感動作ですね。時代を超え世代を超え次元や種族をも超えた友情。さああなたも引き出しを開けてみませんか。大切なものが飛び出してくるかもしれませんよ☆(^∀^)
すみません、レビューになりませんでした。
いや、でもこの結論はこの本を読んでこの本が出した答えを検証したからこそ出た結論で・・・わ、わ、わ、許してください。
この本は他にも骨川家の資産状況について深読みするなどしています。意外と骨川家って切り詰めてるんですね。スネ夫がコンプレックスの塊であるということも判明しました。「恐竜をハンティングしたドラえもんはなぜ捕まらないのか?」(P204)など着眼点が新鮮。どうせならジャイ子の本名が明らかになっていないことやスネ夫の弟であるスネツグがなぜ養子に出されたかについても深読みして欲しかったのですが、十分楽しめる本です(前者については藤子先生自身が答えを出していて、「もしジャイ子に名前をつけてしまったら同じ名前の子がいじめられてしまうだろう。だからジャイ子には名前をつけなかった」のだそうです。後者については不明。ファンの間では、骨川家が人脈を築くために次男スネツグをお金持ちの家に養子に出したという説があります。スネ夫は長男なので骨川家に残されたとか)。
奥の深いマンガです〜。
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