最近わたしはジョエル・シュマッカ監督の映画『オペラ座の怪人』を観たのですが、ファントムの歌がどうもわたしが抱くファントムのイメージと合いませんでした。勿論あれはあれでクリスティーナが手に入らないことへの苛立ちやラウルへの嫉妬も出ていて素晴らしいのですけれど、ファントムが人間らしすぎる感じがします。冷たいながらもわずかに温かい血が通った人間の歌のようで。
 その後Dのこの曲『闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア』を聴き、わたしは「これぞファントム!」と感激しました。わたしの抱くファントムのイメージは冷たい血の持ち主。恋焦がれても怒りや喜びを感じてもかえって血を冷たくさせていくようなイメージ。血は冷たいけれど凍りつくことなく流れているのです。
 ヴォーカルのASAGIさんは高音と低音、ビブラートとシャウトを巧みに歌い分け、ファントムの感情の振り幅が大きいこととそれにも関わらずファントムが心揺れながらも微動だにしないことを表現している・・・とわたしは感じます。特に「一度だけ愛されてみたい この醜い仮面の下までも」と歌うところなどはエロチシズムを漂わせていて、なんだかもう香りまで漂ってきて、わたしはメロメロになりました(笑)。「さあ行くがいい ずっと君が光に包まれる様に・・・」と歌うところも説得力があります。演奏も緩急のつけ方や音の切り方がかなりいかしてます。
 ファントムを見事に表現していてメロメロになれる1曲。
 シャウトをしている時も品のあるASAGIさんはとてもすごい人だと思います。一体何オクターブ声が出るのか知りたいです。最初のビブラートで胸を射抜かれましたw こんな声が出る上に美形で知的でしかも眼鏡男子(オフィシャルHPの氏の日記参照)だなんて・・・「キング・オブ・ファントム」の称号を勝手に贈らせていただきます☆

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