*注*15歳未満の方はこの記事を読まないでください。

 スケベでもエッチでもエロでもありません。偏愛且つ純愛映画です。開始から1分しないうちにわたしは「この映画を絶対に好きになる」と確信しました。

 華やかな母、華やかな姉を持ちながら容姿に恵まれなかったリー。彼女は自分に自信がなく、うつむいてばかり。いつも猫背。男性経験も就職経験もゼロ。小学7年生から自傷行為を繰り返していて、家族に自傷しているところを見つかり精神病院に入院。退院後、社会復帰するため就職先を探していた時、グレイ法律事務所の「秘書募集」の広告を見つけます。
 面接の結果は、見事採用! 秘書。その言葉の響きに彼女はうっとり。グレイ弁護士に貧乏ゆすりやだらしない服装や鼻をすする癖や声の小ささなどを注意されながら、彼女は仕事を覚えていきます。仕事をしていく中で彼女はグレイ弁護士も苦しみを抱えている男性なのだということに気づきます。他人にはわかってもらえない苦しみを同じように抱える者同士の親近感。自傷について親身になってくれる彼に、彼女は恋をするようになります。彼に「もう自傷はしないと誓ってくれ」と言われ、彼女はその日から自傷しなくなりました。
 しかし他のことは改善されても彼女のタイピングのミスは直りません。最初のうちはミスしたところに赤ペンで印をつけ「やり直せ」と言っていた彼でしたが、彼女のミスは直らない。とうとう彼は・・・彼女がミスする度に・・・お尻ぺんぺんの罰を与えるようになるのです。
 彼女は大変なショックを受けます。しかし! 自傷したい気持ちをしばらく抑えていた彼女です。お尻が痛いけれど、何と! 喜びに震えるようになります。サドとマゾが出逢ったのです。運命的な出逢いですね。(^−^)b
 手枷を嵌められたまま書類を口に咥えて運んできて、彼に渡す。これはお尻ぺんぺんが始まる前のことですが、「書類をゴミと一緒に捨ててしまったから探してくれ」と言われればゴミ箱の中に入ることだって彼女はへっちゃら。へっちゃらどころか充実した表情をしています。人参を咥えさせられて檻の中に入れられるのもオールオッケー。食事を極端に少なく制限されるのも彼女は大変喜びました。
 彼だって彼女が好き。しかし2人が1つになるのを阻むのは雇い主と使用人の関係だけではありません。グレイ弁護士は弁護士という社会的な職業に就いていながらも社会と隔絶して生きている人。禁欲的な生活を自らに課し、室内で趣味の菌栽培をし室内で体を鍛え室内で仕事をする人。表情もほとんど変わらない。笑っていても笑うのは口元だけ。目は微かに優しくなるだけ(この辺が非常にセクシーですが)。大声をあげて笑うということと完全に無縁の人です。心を開かせるのは容易ではありません。それは彼女だってよくわかっています。けれど彼をたまらなく好きで好きでたまらなくて、ある日彼に想いを打ち明けます。結果は、解雇。「2度とわたしの前に現れないでくれ」と彼は言い放つのです。
 彼女は幼なじみとエッチすることで彼への想いを断ち切ろうとします。彼以外の男性が与える痛みによって。幼なじみと婚約までしました。けれど断ち切ることは出来ませんでした。深く深くグレイ弁護士を愛しているから。
 ウェディングドレスを着た彼女は走ります。彼の弁護士事務所へ。新しい秘書がいるけれどそんなの気になりません。彼の部屋へ駆け込み、再び想いを伝えます。「わたしを愛していると言うのならわたしが戻るまでここを動くな」と言って彼は部屋を出て行きます。
 そして彼女は。従いました。動きませんでした。椅子に座り机に手を置いた体勢のまま全く動きません。幼なじみにそこから引き剥がされても全力で抵抗し、元の体勢に戻ります。トイレにも行かず。当然失禁し放題。不眠不休。彼女の目は輝いています。耐え抜けば、耐え抜けば、きっと彼に想いが届くと信じて。野次馬も集まってきます。食事は家族が届けてくれました。そして3日が経過。
 結末はあなたの目と耳で確かめてくださいませ。

 彼女が父親と和解したり過保護な母親から自立していく姿も、この映画の見所です。
 観終わった時、わたしは猛烈に感動していました。

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