檜谷昭彦さんの現代語訳は非常に読みやすいです。
 福沢諭吉さんってこんなに格好いいことを仰っていたのですね。さすが1万円札になった方です(←厳密に言うと1万円札にはなっていません。印刷されたのです)。
 「わたしは言いたい。孟子でも孔子でも遠慮があるものか」(P108から抜粋)。もしも西洋文化と日本文化が逆だったとしたら、例えば親鸞が西洋人でルターが日本人であったら日本の先生がたは親鸞を褒め称えルターを劣ったものと見なすだろうということも仰っています。外国に憧れるあまり安易に外国の方が素晴らしいと決め付けるな、と。
 『学問のすすめ』は小難しい漢文などの学問ではなく、まずはそろばんや帳簿のつけ方などの実用の学問をすすめる本。・・・わたしはこの本はまずは難しい学問を修めることをすすめる本だと勘違いしておりました。そして福沢諭吉さんはそういう本を書いたからこそ有名になった方なのだと勘違いしておりました。訂正して謝罪します。実用の学問をすすめた上で、志を高く持ち難しい学問もして更に文明を発展させ社会を平穏にせよ、しかし論語読みの論語知らずにはなるなという本なのですね。敬服致します。役人は多すぎる、と民間化の大切さを説いたり赤穂浪士は本当に義士なのか。敵討ちは間違いだ、と論じたり、また学者を批評したければ学者になれと言うくだりは・・・ロックです。ロックンロールです。
 わたしは身分の高低はその人に学問の力があるかないかによって決まる、人間は万物の霊長である、外国人を雇うことは日本の資金を外国に捨てているようなものだ、とする考え方には異論を唱えたいのですが、それらを抜きにしても面白い本です。
 また、福沢諭吉さんは素晴らしいことを仰いました。「自分に害を加える悪人がそうそういるわけもない。恐れず遠慮せず、真情を率直にあらわしてつき合うべきだ」(P222〜223から抜粋)と。
 若者必携の指南書と言えましょう。
 とはいえわたし「文章ではさほど意味のないことでも、〜」(P150)のところ思わず笑いましたよ。文章ではさほど意味のないってそんな。意外とジョークを言う方だったのかもしれない・・・!?

コメント

redeye-yan
レッドアイ
2006年10月6日23:42

へえ、おもしろそう♪

G−dark
G−dark
2006年10月8日18:58

 面白いですよ(^0^) もっと早く読んでおけば良かったと思うくらいです。

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