顔は隠せない。マスクでもしないと覆えない。
 顔はその人の看板。顔はその人の表札。その人=その顔である、とその人以外の人は認識します。
 ではその人自身は? 自分の看板であり表札たる自分の顔に自信が持てなかったら果たしてそれを「自分です」と言えるでしょうか? それよりも「いいえ、これはわたしじゃない。これは本当のわたしの顔じゃない」と悲鳴をあげてしまう方が多いでしょう。
 自己は理想の自己と現実の自己によって引き裂かれる。
 それに対し、美しい顔を持つ人は初対面の時点で他者に好意を抱いてもらえる上に自己愛も育つ。羨ましい。美人が羨ましいっ。美人と美貌は関係ないなんて嘘だ。
 しかし理想の自己も現実の自己も本当の自己もどこにもいないよ、整形しても更に引き裂かれ状態になったりするんだよ、じゃあどうしたらいいんだろう、・・・というところまで語るのがこの本。
 わたしは16章『整形』のところを読んでいてメイクアップアーティストのケヴィン・オークイン氏(故人)がおっしゃったことを思い出しました。「メイクは人を変えるものではなく、その人らしくするもの」。
 メイクでもプチ整形でも整形でも、どんな服を着てどんな靴を履いていてもそれを自分らしいと感じられたらいいのに。人にとって「本当の自分とは何ぞや」「今の自分は本当の自分ではない」というのは人生においてメインテーマだから難しいけれど。それでもいつか自分を受け入れられるようにならなきゃいけない。そしていつか、「作られた自分」をも受け入れられるようにならなきゃいけない。でなければずっと苦しいまま。
 この本では様々な方面で頑張っている不美人も紹介されていて、とても励みになります。

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