ムック 『雨のオーケストラ』
2007年6月24日 音楽
今、わたしの部屋の窓の外では雨が降っています。雨音と共に、この初夏の季節に、この曲を聴ける日をずっと待っていました。
初夏の雨は、涙と同じあたたかさ。自分の涙ではなく、誰かの涙に触れた時の。
そして自分も泣いてしまう。泣いている時だけ見える世界がこの歌にはあります。世界が涙でぼやける。世界が光に満ちて、雨も光の粒になって降り注いでくるかのよう。
「生憎僕はこの雨、嫌じゃない 傘を一つたたんで小さな僕の傘に 君を招いて」
「君」は君の傘をさしていたけれど、泣いていた。「僕」は「君」の涙で君が押し流されてしまわぬよう祈った。「僕」の傘は僕自身にとっても小さくて、君を涙から守りきることは出来ないけれど、僕は僕の傘で君の傍にいることができた。
今、「僕」は真っ白なノートに「君」との思い出を書いている。書いて残さなければ、思い出が消えてしまいそうになるから。今日はあの日と同じように雨が降っている。
今の「僕」は「君」の傍にはいない。傍にいようとしたけれど、それは叶わなかった。罪人の行き交う街で君は泣いていて、そんな街の中で、・・・僕自身も罪人だったから。もう傘を共にすることは出来ない。
「僕」は今、「君」が今も泣いているのではないか、涙から守ってくれる傘がないのではないか、と心配している。今の「僕」は屋根のある場所にいるけれど、もしかしたら君は雨そのものを防ぐ傘も持っていないかもしれない。
嘆いているうちに雨は上がり、「僕」はこれ以上書けなくなってしまい机にペンを置いた。
この曲と同じ初夏の季節の雨の日に、わたしは「僕」にこう言いたくなりました。
「君」はあなたが心配している通り、今、雨にも涙にも負けそうになっているかもしれない。でも「君」はあなたが傘に入れてくれたこと、その時のあたたかさ、覚えていると思う。そのあなたの思い出が「君」の傘になっていると思う。だってこの曲、この曲を聴いたわたしの傘にもなっているから。実際にあなたと傘を共にした「君」はきっとどこかで、雨が上がった今、あなた自身を思い出していると思う。
初夏の雨は、涙と同じあたたかさ。自分の涙ではなく、誰かの涙に触れた時の。
そして自分も泣いてしまう。泣いている時だけ見える世界がこの歌にはあります。世界が涙でぼやける。世界が光に満ちて、雨も光の粒になって降り注いでくるかのよう。
「生憎僕はこの雨、嫌じゃない 傘を一つたたんで小さな僕の傘に 君を招いて」
「君」は君の傘をさしていたけれど、泣いていた。「僕」は「君」の涙で君が押し流されてしまわぬよう祈った。「僕」の傘は僕自身にとっても小さくて、君を涙から守りきることは出来ないけれど、僕は僕の傘で君の傍にいることができた。
今、「僕」は真っ白なノートに「君」との思い出を書いている。書いて残さなければ、思い出が消えてしまいそうになるから。今日はあの日と同じように雨が降っている。
今の「僕」は「君」の傍にはいない。傍にいようとしたけれど、それは叶わなかった。罪人の行き交う街で君は泣いていて、そんな街の中で、・・・僕自身も罪人だったから。もう傘を共にすることは出来ない。
「僕」は今、「君」が今も泣いているのではないか、涙から守ってくれる傘がないのではないか、と心配している。今の「僕」は屋根のある場所にいるけれど、もしかしたら君は雨そのものを防ぐ傘も持っていないかもしれない。
嘆いているうちに雨は上がり、「僕」はこれ以上書けなくなってしまい机にペンを置いた。
この曲と同じ初夏の季節の雨の日に、わたしは「僕」にこう言いたくなりました。
「君」はあなたが心配している通り、今、雨にも涙にも負けそうになっているかもしれない。でも「君」はあなたが傘に入れてくれたこと、その時のあたたかさ、覚えていると思う。そのあなたの思い出が「君」の傘になっていると思う。だってこの曲、この曲を聴いたわたしの傘にもなっているから。実際にあなたと傘を共にした「君」はきっとどこかで、雨が上がった今、あなた自身を思い出していると思う。
コメント