平原綾香 『Reset』
2007年7月22日 音楽 コメント (8)
平原綾香さんのアルバム『4つのL』収録曲。
そしてゲーム『大神』のエンディングテーマ。
聴いていると赤や桜色や黄色や白や・・・色とりどりの、たくさんの花びらが舞う情景が浮かびます。花びらが散ってしまうことは花の死を意味します。でも悲しくはない。舞い散るその情景が、とても綺麗で。
『大神』のエンディングでこの曲を初めて聴いた時、「どうしてこんなにきれいな曲がリセットなんて名前なんだろう」と思いました。リセット、というとわたしは普段ゲームをやっているせいで、積み上げたものを無に帰すという負のイメージを持っていたのです。
でもよくよく考えると・・・、『大神』は主人公が枯れ木に花を咲かせることができるゲームです。あっ、主人公は花咲かじいさんではありませんよ。のんびりした性格の白い狼です。枯れ木に花を咲かせていくと、その周辺の邪気が祓われて、そこに住む人々や生き物が生き生きし始め、そしてもっと花を咲かせられるようになるのです。
花は希望の象徴。
『大神』の中には覚悟をもって死んでいくキャラクターが数人いました。その中には死体も残さず消えていくキャラクターもいました(疾飛丸のことです)。潔いにも程がある、と言いたくなりますが生き様も死に様も格好いい。まるで花のようです。
花は希望の象徴でもあり、生と死を両方表しているように思います。花はいつか枯れなければ実を残せない。でも実が残る限り、その花が生まれたのと同じ季節にまた花の子どもが咲いてくれる。死によってその花自身は亡くなっても、その花は無くなりはしない。
ゲームにおいてのリセットも、考えてみれば一度遊んだゲームのデータをリセットしてもそのゲームを遊んだ自分の中には記憶や思いはちゃんと残っていて、リセット後また新しくそのゲームを始めた際「ここは面白かったな。今やってもやっぱり面白いな」と生きてくれます。だから・・・この曲が『Reset』という名を与えられたのも当然だなと今は思っています。
「ただ一つ 願いがかなうのなら 時を超えて届けたい 変わらない想いがあるのならば いつか桜の下で」。・・・この歌詞と平原綾香さんの、大切な秘密の物語を誰かに話してくれているような声がとっても好きです。
花を思い出します。たくさんの、散っていく時もきれいだった花たちを。亡くなっていった人たちのことも。そしていつか亡くなっていく人たちや、自分のことも。そんなこと考えるといつも悲壮感が付きまとっていたのに、この曲を聴きながらだと全然悲しくないです。ただ、きれいな情景だけが浮かんで。
そしてゲーム『大神』のエンディングテーマ。
聴いていると赤や桜色や黄色や白や・・・色とりどりの、たくさんの花びらが舞う情景が浮かびます。花びらが散ってしまうことは花の死を意味します。でも悲しくはない。舞い散るその情景が、とても綺麗で。
『大神』のエンディングでこの曲を初めて聴いた時、「どうしてこんなにきれいな曲がリセットなんて名前なんだろう」と思いました。リセット、というとわたしは普段ゲームをやっているせいで、積み上げたものを無に帰すという負のイメージを持っていたのです。
でもよくよく考えると・・・、『大神』は主人公が枯れ木に花を咲かせることができるゲームです。あっ、主人公は花咲かじいさんではありませんよ。のんびりした性格の白い狼です。枯れ木に花を咲かせていくと、その周辺の邪気が祓われて、そこに住む人々や生き物が生き生きし始め、そしてもっと花を咲かせられるようになるのです。
花は希望の象徴。
『大神』の中には覚悟をもって死んでいくキャラクターが数人いました。その中には死体も残さず消えていくキャラクターもいました(疾飛丸のことです)。潔いにも程がある、と言いたくなりますが生き様も死に様も格好いい。まるで花のようです。
花は希望の象徴でもあり、生と死を両方表しているように思います。花はいつか枯れなければ実を残せない。でも実が残る限り、その花が生まれたのと同じ季節にまた花の子どもが咲いてくれる。死によってその花自身は亡くなっても、その花は無くなりはしない。
ゲームにおいてのリセットも、考えてみれば一度遊んだゲームのデータをリセットしてもそのゲームを遊んだ自分の中には記憶や思いはちゃんと残っていて、リセット後また新しくそのゲームを始めた際「ここは面白かったな。今やってもやっぱり面白いな」と生きてくれます。だから・・・この曲が『Reset』という名を与えられたのも当然だなと今は思っています。
「ただ一つ 願いがかなうのなら 時を超えて届けたい 変わらない想いがあるのならば いつか桜の下で」。・・・この歌詞と平原綾香さんの、大切な秘密の物語を誰かに話してくれているような声がとっても好きです。
花を思い出します。たくさんの、散っていく時もきれいだった花たちを。亡くなっていった人たちのことも。そしていつか亡くなっていく人たちや、自分のことも。そんなこと考えるといつも悲壮感が付きまとっていたのに、この曲を聴きながらだと全然悲しくないです。ただ、きれいな情景だけが浮かんで。
コメント
「リセット 大神」で検索したらこのページに行き当たりました。
私は先日発売されました大神絶景版を購入し、
つい先週にやっとクリアして、号泣したうちの一人です。
こちらの考察を拝見し、また泣いてしまいました。
疾飛丸のとこでも泣きました。
私がこんなことを言うのも可笑しいですが、素敵な考察を書いていただいてありがとうございます。
それでは、通りすがりな者ですので、これにて失礼します。
大神は本当に素晴らしいゲームですよね。
もはやゲームという枠を超えているかも。
大事なものが沢山詰まっていますから。
コメントを頂いたことを機に、わたしも久しぶりに大神をプレイして、あのほんわかしたみんなに会いたくなりました。
こちらこそありがとうございます。
大神の終盤、ウシワカが、自分のしてしまったことに関して、絶対にリセット出来ないんだ!と言います。それに関連した、Resetなのかと思っていましたが…そうすると、絶対リセットできないって言ってたのに、「悲しみをResetして」で締めくくるこの歌は、どういう意味を込めたかったのだろう?という疑問が浮かび上がりました。
G-dark様の解釈を読み、なるほどそういう考え方なら納得できる、と思いました。Resetが、「何もなかったことにする」ようなResetの意味ではなく、「乗り越える」「再起する」「もう一度~」など…それこそ、「この世に命が蘇る」のような意味なら。なくしたものも何もかも全てを受け継いで、もう一度、始まる、繋げていく。
EDテーマには、ウシワカや、もちろんウシワカ以外の全てのキャラクターの物語を込めてあるのだと考えています。だから解釈もたくさんできる、抽象度の高い歌詞なのだろうと。
Resetの解釈を読み、ここにこうして書き込ませていただき、納得いきました。これから、二週目でサブイベとはぐれ珠回収しに行きます。良い考え方を得たので、さらに大神を好きになれそうです。ありがとうございます。
初めまして。コメントありがとうございます。
お返事が遅くなってしまって申し訳ありませんでした。
Resetをどう解釈するか、については人それぞれ感じ方が違うでしょうけれど、
気分屋さんがおっしゃっている、
>Resetが、「何もなかったことにする」ようなResetの意味ではなく、「乗り越える」「再起する」「もう一度~」など…それこそ、「この世に命が蘇る」のような意味なら。なくしたものも何もかも全てを受け継いで、もう一度、始まる、繋げていく。
という感じ方はとても素敵だと思います。
Resetは決して「永遠のさよなら」ではなく、むしろ、「いつかまた会うためのしばしの別れ」という意味でもあり、一度縁あって結ばれた絆は形を変えながらいつまでもいつまでも繋がっていくのかもしれない…と思います。
わたしもResetの意味を、これからも感じ取っていきたいと思います。
『大神』楽しんでください。
こちらこそありがとうございました。
日本人は八百万信仰といわれますがもっと踏み込んで言うと天使でも悪魔でもその行動や存在を受け入れる、要は生まれや立場による善悪二元論で人や相手を見ないという考え方があります。
その代わりにその人の罪や穢れといったものの多さ、偽善や欺瞞の多さによって人の好き嫌いを決めようとします。
そして、嫌いな相手であっても祓い清めといった禊(みそぎ)をしようという心構えの人に対しては許しの心を抱こうとします。
また、罪や穢れに対しては西洋とは少し概念が違い、誰しもが日々と共に徐々に侵されていくものであるという認識のため、自己に対しても同じ心で向き合っています。
その人その人にあった純粋な心の有り方を最も愛するという感性が日本人にはあるのです(もちろん全員にとは言いませんが)。
その在り方に戻る事が『RESET』なのだと思います。
歌詞の中では涙を流したり過去には戻れないと未来へ向き直ろうとしたり(悲しみを背負うことは軽い穢れとされている)、光を求めたり(太陽の光には清めの力があるとされている)、最後には変わらぬ思いや大切な祈りを想い出しています(本来の自分に回帰している)言ってみればこれは、日本人の古神道的な感覚における『救い』なのです。
長くなりましたがやはりゲームの主人公がアマテラスなので、そこから古事記や古神道と連想をして、その信仰をもとに歌詞を書いたのでは?というのが私の結論です。
コメントありがとうございます。
この作品がきっかけで神話、哲学、信仰への見識を深めているなんて、この作品の作り手の方々が聞いたらきっと喜ばれるでしょうね。
日本人は神仏習合をうまく暮らしの中に取り入れてきましたし、今も多くの宗教を受け入れていて、世界に類を見ない国だと思います。
ばーにーさんがおっしゃっている、「穢れ」や「禊」という感覚は日本独特ですし、「許し」や「救い」もまた、西洋の宗教の概念とはまた違いますよね。
八百万信仰って本当に素晴らしいなとわたしは思います。
唯一神を信仰する宗教を否定するつもりはありませんが、世の中のあらゆるものに神の存在を感じ、敬えるということは、多種多様な人の存在を受け入れることにも繋がると思います。
そうした受け皿があってこそ、仏教が日本へ伝えられた時に日本人はそれを受け入れられたのだと思いますし、キリスト教宣教師がやって来た時も受け入れられたのだと思います。
残念ながらキリスト教の場合は権力者たちにとっては都合が悪かったので弾圧される時代が続きましたが、隠れキリシタンとして苦しんでもなお信仰を貫く人々がいたのは、日本という国に多種多様な存在を否定せず受け入れる土壌があってこそだったと思います。
日本にはせっかくこうした素晴らしい文化が根付いていますので、今後どんなに日本の国としての在り方が変わっていったとしても、この根っこの部分だけは失わずに、太陽や月の光に天照大神や月読命の存在を感じたり、或いは愛用している持ち物に付喪神の存在を感じたりといった感覚は無くさないでいきたいです。
この作品の作り手の方々もきっとそんな様々な想いを込めたのではないでしょうか。
ばーにーさんからコメントを頂き、久しぶりに『大神』や『Reset』に向き合う機会を得られました。
ありがとうございます。
新型コロナウイルスが拡散する中、世界中の人々が情報を求めメディアに振り回されていく姿が、私は【大神】のゲーム世界と重なって見えてしまいます。
ダークな気持ちをなんとかしたいと、人々が手を合わせ神頼みする姿が見えてきます。
「悲しみをResetして」G-dark様の解釈より
Resetが、「何もなかったことにする」ようなResetの意味ではなく、「乗り越える」「再起する」「もう一度~」など…それこそ、「この世に命が蘇る」のような意味なら。なくしたものも何もかも全てを受け継いで、もう一度、始まる、繋げていく。
卯の花が咲く月『卯月』
桜を眺めてみてください。
覚悟を持って、涙をぐっと我慢をしてください。、
「ただ一つ 願いがかなうのなら 時を超えて届けたい 変わらない想いがあるのならば いつか桜の下で」
- ひですん -
コメントありがとうございます。
そうですね、人々が新型コロナウイルスに振り回されて混乱する様子が、「大神」の世界観と通じる気がします。
ウイルスに対して人間はあまりに無力なので、つい神頼みしたくなりますよね。
残念ながらウイルスのせいで亡くなる方々もいて、世の中は暗くなるばかり…。
でも、高木ブーさんが先日「志村は死なない」とおっしゃっていたように、残念ながら亡くなったとしてもその人が生きていたということがリセットされるわけではないし。今生きているみんなでこれ以上ウイルスを広げないようにして、命を次世代に繋げていきたいですね。
今年は桜をゆっくり見られなくても、どの花も例年と変わらず咲いている、というのも心を救ってくれますね。
来年にはこのウイルス流行がおさまっていて、誰もが桜の下でゆっくり大事な人たちとお花見できますように…!