紅茶の缶っておしゃれなものばかりですね。どの缶のデザインも、中に詰められている紅茶の特徴を表しているだけでなく、その紅茶を誰かに飲んで欲しいという人の心が込められているように感じます。その紅茶で幸せなひとときを過ごして欲しい、という心が。だから紅茶の缶は、中身の紅茶がなくなっても、眺める人を幸せな気分にしてくれます。
 わたしはこの本『紅茶図鑑』で、神戸紅茶の『アリスの英国紅茶』の存在を知りました。綺麗な缶! この紅茶の中身は4種類あり、それぞれ缶の色は、『不思議の国のアリス』誕生の地・英国のカラーである赤と青が2つずつ。缶にはサー・ジョン・テニエルが『不思議の国のアリス』で描いた挿絵が記されています。このデザインから、不思議の国のアリスに登場するいかれたお茶会のようにお茶の時間を自由に楽しんで欲しい、という思いが伝わってきます。この紅茶を飲んだら不思議の国に行けるかも。しろ〜い薔薇を♪ 赤く塗ろう♪ しかし赤ばかりではつまらない♪ しろ〜い薔薇を♪ 黒く塗ろう♪ 黒バラの小太刀♪ しろ〜い薔薇を♪ 青く塗ろう♪ 少年2人の何たらかんたら♪ しろ〜い薔薇を♪ 紫に塗ろう♪ 紫の薔薇の人〜♪ 連載再開していい加減完結してくれ〜♪ ・・・すみません脱線いたしました(紅茶なしでも変な国行っとるやないか、という的確なツッコミをくださった方ありがとうございます)。
 他にも気になる紅茶及び缶がたくさんありました。中でも特に飲みたいのはWEDGWOODの紅茶『QUEEN ANNE』、MARINA DE BOURBONの『ACTRICE』(アクトリスと読みます)。クイーン・アンはイギリスのアン女王を表しているのでしょうけれど、わたしは最初この名前を見た時映画『ローマの休日』のアン王女が女王になった姿を思い浮かべてしまったので、そのイメージから飲みたくなりました。クイーン・アンは高貴な香りがするそうです。アクトリスはフランス語で女優を意味し、すれ違った薔薇の残り香のような香りがするそうです。うーん、どちらも魅力的だからどちらから先に飲むべきか迷います。また、MARINA DE BOURBONは『BAISER』(ベゼ。口づけという意味)や『JULIETTE』(ジュリエット。ちなみに『ROMEO』もあります)や『MENUET』(メヌエット。音楽)など、どの紅茶にも素敵な名前をつけています。ああ、美味しいかどうか今はまだわからねど、この名前だけでも素晴らしい。うーん、どれから先に飲めばいいの? こんな嬉しい迷いを与えてくれてありがとう。お茶は飲む前から素晴らしいひとときをくれますね。
 最後になってしまいましたが、この本『紅茶図鑑』にはダージリン、アッサムなど紅茶の種類や産地についての記述があるだけでなく、葉を摘んだ時期によって同じ種類の葉でも味が変わることが初心者にもわかりやすく書かれています。また、800もの紅茶を紹介しているのに分厚い本ではないため、紅茶1つ1つについての解説は短めなのですが、その分簡潔にそれぞれの紅茶の魅力を知ることができました。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索