TV放送に使われたものだけでなくカットされた内容(指詰めのマサについての内容など)、ナレーターによる解説、イマイさん自身によるコメントも読むことができる本です。
電話をかけた時間やその時の写真も載っているので臨場感があります。

リダイヤルといえばこの方イマイさん。
架空請求業者に「僕はこの請求に覚えがないんですよ」と電話をかけ、電話を切られたらリダイヤルし、電話、切られる、リダイヤル、リダイヤル、リダイヤルを繰り返します。
そのうち業者は「もーあなた何なの!? あなたはお金振り込まなくていいから。架空請求だから」などと根負けするのです。

イマイさんは業者の「指詰めるぞ」「殺すぞ」「片腕ぶった切る」などの脅しをうまくかわして質問を続けます。
業者を怒らせない丁寧な言葉遣いで、しかし業者が電話の向こうでもらした1つ1つの言葉に対し「〜なんですか?」「〜って言ってたじゃないですか?」などと確認作業を行うので、業者は「お前1人のために時間がものすごくかかる」とカンカン。
それをまたサラリと受け流すイマイさん・・・。
イマイさんすごいです。

恐らくイマイさんが出ていらっしゃるTV番組を観た人の中には、自分も真似して電話してやろ〜業者からかってやろ〜と業者に電話しちゃった人がいるのではないかと思います。
危険です。
こうして文章にされた形で見るとよくわかるのですが、無事でいられるのはイマイさんだから出来ることなので素人には危険です。
蛇足とは思いますがここに注意を書かせていただきました。

P91前後とP168のくだりは面白くって思わず笑ってしまいました。
また、P176で業者が小指のありがたみを説いていて、「おっ! 本当だ。小指がないと力が入らない。今気づいたよありがとう」とわたしは業者に対して妙な感謝をしてしまいました。
そして・・・P163。
業者がイマイさんに「消化器ぶちまくぞ、おまえ」と脅し文句を言っているのです。消化器をぶちまく!? わたしはびっくりしてしまいました。
消化器って胃とか腸とかですよね。それをぶちまく・・・? 映画『ハンニバル』でレクター博士にお腹をザックリ裂かれて腸をぶら下げたまま死んじゃった人を思い出しましたよ。
なんと残酷な。
業者もやるな。
すごい脅し文句だ。・・・と感心していたら単純に「消火器」の写植ミスだったんですね。
ちょっとがっかり。←いや、消火器ぶちまく方が良いに決まっています。

この本では以下のことにも触れられています。
TV番組によってイマイさんの知名度は上がりました。
それによって業者にお金を振り込む人は減ったそうです。
それはとても素晴らしいこと。
支払う義務がないならどんなに脅されても支払わなくて良いのです。
イマイさんの毅然とした態度に皆さん勇気づけられたのでしょうね。

しかしTV番組を観るのは一般の人だけではありません。
業者だってTV番組を観るのです。
業者がイマイさんに「わかってんだよ、おまえの正体」「そろそろやり方変えろ!」と言ってくる・・・そんな事態になってしまいました。
これからイマイさんがどうなさるのか興味津々です。

また、巻末P252に書かれているジャーナリストとしての覚悟には素直に感動いたしました。

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