最近身の周りでもニュースでも、思わぬ悲報を知ることが多くなってきました。悲報を知る度にわたしはこの曲を聴きたくなります。マドンナの『ダイ・アナザー・デイ』。「わたしが死ぬのは今日じゃない」と歌ってくれるから。
 この曲のPVで、マドンナは処刑されようとしている女性を演じています。なぜ処刑されるのかはわかりませんが、処刑人たちはひどく彼女を殺したがっています。この曲が映画『007 ダイ・アナザー・デイ』のテーマであることを考えると、もしかすると彼女はスパイ行為をした罪で処刑されようとしているのかもしれません。彼女の心の中では、生きようとする衝動と死のうとする衝動とが闘います。彼女は髪を振り乱し、処刑人に唾を吐き、必死にもがいて生きようとします。彼女はこう歌います。「わたしが死ぬのは今日じゃない」「今はわたしが逝く時じゃない」「この(悪)循環を壊してみせる」「(わたしを殺そうとする)決まりをめちゃくちゃにしてみせる」。彼女の生きようとする衝動は死のうとする衝動に打ち勝ち、彼女は処刑場から脱出します。その一部始終の格好いいこと!
 この曲を聴いていると、「今この時自分以外にも生きている人がいるんだ」と思い出して安心できます。いえ、当たり前なのですけれどね・・・自分以外に生きている人がいるのは。けれど悲報を知ってしまうと、「今はもうあの人はこの世界にいないんだ」という現実と直面してしまうのです。そして「自分が知らないだけで、今この時誰かが死んでいるかもしれない」と思い至ってしまうのです。だから悲報を聞いた後はこの曲が必要。また、昨日うっかり久し振りに映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を観てしまったので、わたしは余計この曲に聴き入ってしまいます・・・。
 わたしも生まれてきた以上は必ずいつか死ぬのですが、どんなにみっともなくても構わないので死ぬまでは懸命に生き続けたいと思います。

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