山田 規畝子 『壊れた脳 生存する知』
2008年2月20日 おすすめの本一覧
大学生の時から現在(37歳以上)に至るまで、脳に度重なるダメージを受けてきた著者による本。著者の体験談から、高次脳機能障害になった人の世界を垣間見ることができます。
著者の場合、右脳を損傷したことで形の認識が苦手になり、右脳の中でも頭頂歯のダメージがひどかったため物の位置関係を理解しにくくなったそう。
探し物が視界に入っていても、見つけ出すことができない。書類に記入する時も、何を書くべき欄なのかわからない。自分を起点とした方向感覚がわからない。空間に順序正しく並んでいる物の規則性がわからない。そして、自分がこうなっているということを客観的に認識できるものの、見た目には以前と変わらないため周囲がなかなか理解してくれず無能者扱いされてしまうのが辛いのだそう・・・。
しかしこの本の題からもわかるように、「どんな脳でも必ず何かを学習する」(P133)と著者は言います。「脳の一部が壊れた時、脳は残された正常な機能を総動員して壊れた部分を補い、危機を乗り越えようとするものらしい」(P212。正常な〜動員までの箇所が正確でないかもしれません。申し訳ありません)と。脳の壊れたところは元には戻りませんが、脳が全て壊れたわけではありませんものね。著者は「〜周囲が、『もぐもぐもぐもぐ』などと声をかけたほうが、患者は噛むことを思い出しやすい」(P163)とも言っています。工夫をすれば以前のような基本動作に可能な限り近づけるかもしれませんね。
また、わたしは著者の話の中で「私の海馬は、〜まったく無傷であると、何人かの脳外科医から説明された。しかし私の記憶はまったく正常というわけではない」(P105)というものに興味を引かれました。一体記憶とはどこにあるのか。わたしは常々、大切な記憶は心臓に保管されるものと思っているのですが・・・(通常の心拍よりドキドキした履歴が残っていそうで)。記憶についても知りたい、と思わせてくれる本でした。
―――――――――
<備考>
批判になってしまうのですが・・・。著者は高次脳機能障害はなってみないとわからないものだ、と言っています。しかし著者はこの本の中で、認知症になった人々について決めつけるようなことを書いています。認知症だって、なってみないとわからないもののはずなのに・・・。どうしても「あれ?」と疑問を感じてしまいます。
著者の場合、右脳を損傷したことで形の認識が苦手になり、右脳の中でも頭頂歯のダメージがひどかったため物の位置関係を理解しにくくなったそう。
探し物が視界に入っていても、見つけ出すことができない。書類に記入する時も、何を書くべき欄なのかわからない。自分を起点とした方向感覚がわからない。空間に順序正しく並んでいる物の規則性がわからない。そして、自分がこうなっているということを客観的に認識できるものの、見た目には以前と変わらないため周囲がなかなか理解してくれず無能者扱いされてしまうのが辛いのだそう・・・。
しかしこの本の題からもわかるように、「どんな脳でも必ず何かを学習する」(P133)と著者は言います。「脳の一部が壊れた時、脳は残された正常な機能を総動員して壊れた部分を補い、危機を乗り越えようとするものらしい」(P212。正常な〜動員までの箇所が正確でないかもしれません。申し訳ありません)と。脳の壊れたところは元には戻りませんが、脳が全て壊れたわけではありませんものね。著者は「〜周囲が、『もぐもぐもぐもぐ』などと声をかけたほうが、患者は噛むことを思い出しやすい」(P163)とも言っています。工夫をすれば以前のような基本動作に可能な限り近づけるかもしれませんね。
また、わたしは著者の話の中で「私の海馬は、〜まったく無傷であると、何人かの脳外科医から説明された。しかし私の記憶はまったく正常というわけではない」(P105)というものに興味を引かれました。一体記憶とはどこにあるのか。わたしは常々、大切な記憶は心臓に保管されるものと思っているのですが・・・(通常の心拍よりドキドキした履歴が残っていそうで)。記憶についても知りたい、と思わせてくれる本でした。
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<備考>
批判になってしまうのですが・・・。著者は高次脳機能障害はなってみないとわからないものだ、と言っています。しかし著者はこの本の中で、認知症になった人々について決めつけるようなことを書いています。認知症だって、なってみないとわからないもののはずなのに・・・。どうしても「あれ?」と疑問を感じてしまいます。
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