アルバム『星の都』収録曲。
 失恋直後の気持ちを呼び醒ます曲。
 聴いていると、もう必要ないのに無理な笑顔を作ってしまいます。
 

 この曲の主人公は失恋したばかり。主人公はこうなることをわかっていました。さよならの理由は幾らでもあったから。
 恋の相手は最低な人。主人公のことを大事にしてはくれませんでした。待ち合わせには決まって遅刻。約束を守らない。「空気を読め」と主人公の意見を押し込めてばかり。クリスマスイヴのデートにも遅刻。主人公が電話をかけると、彼は他の人と一緒にいました。思い返してみれば、彼のアリバイ作りは完璧だったけれど、今まで浮気されていたことは明らかでした。
 気づきたくなかった。けれどはっきりと気付かされてしまった。主人公は別れを決意。すぐに彼を呼び出しました。待ち合わせ場所に行ってみると、いつも遅刻するはずの彼が先に来ていました。主人公が遅く行ったのではありません。彼は別れ話をされる事をわかってやって来たのでしょう。主人公は別れを切り出しました。彼はあっさりと承諾。
 主人公は終電に乗るため歩き始めます。
 仕方ないよね、と笑顔を作って。どうせなら最後に格好いいセリフを言えば良かった、なのに言いそびれた、と笑って。
 けれど主人公は足を止めます。
 ふと眼にしたショーウインドーがなぜか濡れていたからです。
 空は晴れているというのに。
 主人公は思います。ああ、もうすぐわたしは泣くんだ・・・と。
 言いそびれたんじゃない。言えなかった。好きだったから。引き止めて欲しかったから。最低な相手だとわかっていても。最低じゃない夢を見ていた。彼が同じ夢を見ていなくとも。
 濡れたショーウインドーに濡れた笑顔が映ります。

 
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 あまり言いたくない似たような思い出があるので、この曲は胸にきます。
 わたしの場合は最後に叩いてやったのですが。あの叩き方の弱々しかったこと・・・。あ〜あ。

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