芝山努監督 『映画ドラえもん のび太と鉄人兵団』
2008年3月11日 映画
*注*結末に関する完全ネタバレがあります。
以下はあらすじ。
宇宙にロボットだけの文明を築いている星がありました。その星のロボットたちは「神は我々を宇宙の支配者として創った」と信じ、地球の人間を奴隷にしようと企みます。奴隷捕獲の拠点とするため、ロボットたちは地球に基地を建てることにしました。基地を建てるために、リルルという人間型ロボットがまず地球へ派遣されました。リルルは人間がいない北極でジュドーというロボットを組み立てようとしました。しかし偶然北極へやって来たのび太がジュドーの部品を見つけ、「とりあえず持って帰ろう」と自宅へ持ち帰ってしまいました。リルルはジュドーがいなければ基地建設に取り掛かることができません。リルルは部品を探して東京都練馬区までやって来ます。部品はリルルに自分の所在を知らせる信号を送ろうとしますが、その度にのび太のママが「近所迷惑でしょ!」と部品をぶっ叩いて阻止。グッジョブです、ママ。リルルがのび太を探し当てた時には既にのび太がジュドーを自分の好きなように組み立ててしまった後でした。のび太はリルルの目的を知らなかったため、リルルに部品を持ち帰ったことと勝手に組み立てたことを謝り、ジュドーを返した上秘密道具も貸してしまいました。リルルは秘密道具で作った鏡面世界で、ジュドーと共に基地建設を始めました。のび太とドラえもんは人間捕獲作戦に気づきますが、それをリルルに悟られ、リルルに追われます。のび太とドラえもんはうまく逃げ切り、その際リルルは負傷。のび太とドラえもんは計画を阻止するためジャイアン、スネ夫に協力を頼みます。しずかちゃんも計画阻止に賛同しましたが、しずかちゃんは負傷したリルルを直そうとします。ジャイアンとスネ夫はリルルを直すことに反対しましたが、しずかちゃんは譲りません。リルルはしずかちゃんの行動を理解できず戸惑います。しずかちゃんはリルルを懸命に介抱し、リルルはどんどん直っていきました。リルルには、自分でも気づかないうちに人間のような心が芽生えていきました。裸の胸を隠そうとする、自分を破壊しようとするのび太に「いいわ。撃って!」と言う、「だめだ」と言ったのび太を非難する、上官ロボットの命令を拒否する、けれど人間の味方にもロボットの味方にもなれない。そんな自分に驚いて、リルルは「自分の心がわからない」と泣きます。しずかちゃんは秘密道具を使って、リルルと共に、最初のロボットを創った「神」に会いに行きます。「神」は人間でした。「神」は話を聞き、最初のロボットに他人を思いやる心を植え付けようとしました。最初のロボットに思いやりの心が備われば、今のロボットたちにもその心が備わるはずだからです。しかし「神」は植え付け作業の半ばで倒れてしまいました。リルルは「神」の代わりに作業を引き継ぎます。作業は完了し、歴史が変わり、リルルは消えていきました。しずかちゃんの手を握りながら。
以下感想。
リルルはアシモフの三原則、すなわち「人間に危害を及ぼさない」「人間の命令に逆らわない」「自己を破壊しない」を全て超えたのですね・・・。リルルはほとんど人間だったと思います。自殺と言えるのかもしれません。けれどリルルの消えゆく姿は、哀しくて綺麗でした。
わたしはこの映画についてもう1つ考えることがあります。もしもリルル以外のロボットが「神」が人間だったと知ったらどんな反応をしただろう・・・と。自分たちが奴隷にしようとした人間と、自分たちを創った神が同じものだったと知ったら。人間を奴隷にしてはいけない、と思ったでしょうか? それとも神に失望したでしょうか? ・・・人間がこれと似たような問題に突き当たった場合、人間はこれまでの神を廃して新たな神を擁立することが出来るわけですが・・・この映画のロボットたちはどうなのか。想像を掻き立てられます。
以下はあらすじ。
宇宙にロボットだけの文明を築いている星がありました。その星のロボットたちは「神は我々を宇宙の支配者として創った」と信じ、地球の人間を奴隷にしようと企みます。奴隷捕獲の拠点とするため、ロボットたちは地球に基地を建てることにしました。基地を建てるために、リルルという人間型ロボットがまず地球へ派遣されました。リルルは人間がいない北極でジュドーというロボットを組み立てようとしました。しかし偶然北極へやって来たのび太がジュドーの部品を見つけ、「とりあえず持って帰ろう」と自宅へ持ち帰ってしまいました。リルルはジュドーがいなければ基地建設に取り掛かることができません。リルルは部品を探して東京都練馬区までやって来ます。部品はリルルに自分の所在を知らせる信号を送ろうとしますが、その度にのび太のママが「近所迷惑でしょ!」と部品をぶっ叩いて阻止。グッジョブです、ママ。リルルがのび太を探し当てた時には既にのび太がジュドーを自分の好きなように組み立ててしまった後でした。のび太はリルルの目的を知らなかったため、リルルに部品を持ち帰ったことと勝手に組み立てたことを謝り、ジュドーを返した上秘密道具も貸してしまいました。リルルは秘密道具で作った鏡面世界で、ジュドーと共に基地建設を始めました。のび太とドラえもんは人間捕獲作戦に気づきますが、それをリルルに悟られ、リルルに追われます。のび太とドラえもんはうまく逃げ切り、その際リルルは負傷。のび太とドラえもんは計画を阻止するためジャイアン、スネ夫に協力を頼みます。しずかちゃんも計画阻止に賛同しましたが、しずかちゃんは負傷したリルルを直そうとします。ジャイアンとスネ夫はリルルを直すことに反対しましたが、しずかちゃんは譲りません。リルルはしずかちゃんの行動を理解できず戸惑います。しずかちゃんはリルルを懸命に介抱し、リルルはどんどん直っていきました。リルルには、自分でも気づかないうちに人間のような心が芽生えていきました。裸の胸を隠そうとする、自分を破壊しようとするのび太に「いいわ。撃って!」と言う、「だめだ」と言ったのび太を非難する、上官ロボットの命令を拒否する、けれど人間の味方にもロボットの味方にもなれない。そんな自分に驚いて、リルルは「自分の心がわからない」と泣きます。しずかちゃんは秘密道具を使って、リルルと共に、最初のロボットを創った「神」に会いに行きます。「神」は人間でした。「神」は話を聞き、最初のロボットに他人を思いやる心を植え付けようとしました。最初のロボットに思いやりの心が備われば、今のロボットたちにもその心が備わるはずだからです。しかし「神」は植え付け作業の半ばで倒れてしまいました。リルルは「神」の代わりに作業を引き継ぎます。作業は完了し、歴史が変わり、リルルは消えていきました。しずかちゃんの手を握りながら。
以下感想。
リルルはアシモフの三原則、すなわち「人間に危害を及ぼさない」「人間の命令に逆らわない」「自己を破壊しない」を全て超えたのですね・・・。リルルはほとんど人間だったと思います。自殺と言えるのかもしれません。けれどリルルの消えゆく姿は、哀しくて綺麗でした。
わたしはこの映画についてもう1つ考えることがあります。もしもリルル以外のロボットが「神」が人間だったと知ったらどんな反応をしただろう・・・と。自分たちが奴隷にしようとした人間と、自分たちを創った神が同じものだったと知ったら。人間を奴隷にしてはいけない、と思ったでしょうか? それとも神に失望したでしょうか? ・・・人間がこれと似たような問題に突き当たった場合、人間はこれまでの神を廃して新たな神を擁立することが出来るわけですが・・・この映画のロボットたちはどうなのか。想像を掻き立てられます。
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