第1章から第6章までページを割いてマルガリータ・テレサ・デ・エスパーニャへと続くスペインの歴史が書かれています。241ページある中で、この本が目指すマルガリータ(マルガリータという名前の王女は他にも沢山登場します)が登場するのは199ページから!
 彼女の肖像画がベラスケスによって描かれた背景のみ知りたい、という方には第7章のみ読むことをおすすめします。
 ただ、彼女の生涯を詳しく知りたい、という方にはこの本自体おすすめしません。彼女のことが書かれている第7章には、彼女の生涯は簡潔にしか書かれていませんから。

 わたしはこの本を読むまで「マルガリータの肖像画は、マルガリータの成長を彼女の結婚相手に知らせるために描かれたのだろうな」くらいにしか思っていませんでした。しかしこの本を読んだことによって、彼女の幼い頃の肖像画については、彼女が王位を継承できるように彼女が宮廷の普段の生活の中で中心となっていることを示したい、という狙いがあったのだと知ることができました。
 実際には、有名な肖像画「ラス・メニーナス」が描かれた後、王位継承権を持つ男子が生まれたためマルガリータは王位継承者にはならず。彼女はハプスブルク家の君主且つ神聖ローマ帝国皇帝レオポルトⅠ世と結婚。4人子どもを産んだもののそのうち3人は夭折、彼女も22歳の若さで逝去してしまいました。



 もしも彼女に弟が生まれていなければ、この本のタイトルは『~女王マルガリータの旅』だったかもしれませんね・・・。もしそうなっていなかったら、運命の悪戯によって彼女も若くして亡くならずに済んだのかも・・・。
 ・・・と言ってしまうと彼女の弟であるカルロスⅡ世を否定しているようで、彼に対して申し訳ない気がしますが。あくまでも、わたしは肖像画の中のマリガリータに魅力を感じているので彼女が女王になったらどうなっていたのだろうと想像したいだけ。
 わたしはカルロスⅡ世にも興味を引かれています。高貴な身分でありながらも、「悪魔」「呪われている」と評されるその容姿のせいで、まるでエレファントマンのような扱い(頭に布を被せられていた)を受けていた彼。彼は亡くなった妻の遺体を掘り起こして手元に置く、という行動を取ったこともあるようです。わたしはそうした彼の行動にも興味を引かれます。お互いに愛がある結婚だったかどうかはわたしは存じません。ただ、彼の行動が異常だとはわかりますが、たとえ亡くなっても配偶者と一緒にいたいという気持ちはわからないでもないから・・・。
 今後はカルロスⅡ世についても調べてみようと思います。この本はわたしにそう思わせてくれるきっかけをくれました。

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