廉姫はしんのすけに問いました。
 「そなたたちの世界の男女はどのように恋をする」

 しんのすけは廉姫に答えました。
 「21世紀ではお互いに好きになればいいんだよ」


 ・・・しんのすけもいつか、たとえ時代が21世紀になろうとも、お互いに好き合っている男女が必ずしも結ばれるわけではないことを知るのでしょうか。
 そんな想いを、しんのすけには知らないで欲しい。
 ・・・この映画を見てそう思った大人は少なくないことでしょう。
 身分の違いという障害が少なくなった分、少しは21世紀の方がましなのかもしれませんが、恋の苦しさが変わるはずもない。


 廉姫は呟きました。
 「それにしても不思議。北と南で生まれた二人が、江戸と出逢い夫婦となって・・・。春日のわたしの、一番好きな場所に住んでいるなんて。だからこそ、あなたたち家族はそんなにも仲睦まじく幸せなのだと思いたい。だとしたら、わたしは嬉しい。本当に」

 その場所を一番好きな理由。
 だからこそ、という言葉の意味。
 ・・・又兵衛は知っていたのに。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索