音環境という視点から都市論をまとめようとする著者が書いた、京都をフィールドとしたサウンドスケープ論の本です。
 わたしはこの本を読んでから、梵鐘の中で共鳴しているノイズなどに魅力を感じるようになりました。
 枕草子や源氏物語に登場する音に注目して書かれている本なので、日本の古典文学に興味がある方は楽しく読めるかもしれません。


 音は目に見えないけれど自由に空間を作ることが出来る、清少納言は熟知しておりその「けはひ」によって宮中を把握していた・・・という意味のことを述べる箇所(P93あたりに書かれています)ではなるほどなと思いました。
 音は空間を分ける力があるのですね。
 P55では京都に残る梵鐘の配置について考察されています。昔の人は音による空間を設計したのかもしれませんね。凄いですね・・・。音の反響によって空間の大きさを感じられるでしょうし、場所によって音調も違うでしょうから自分が京都のどこにいるのかという感覚も掴めるような気がします。
 昔の人には負けていられません、わたしも音を活用して美学の域まで極めたいと思います。(←それ以前の問題としてわたしは汚部屋をお部屋に改善しなければならないのですが)


 全体にわたり、この本はアジア的なサウンドスケープ論を意識しているようです。
 わたしの読み解く力が足りない為、この本の全てを理解することはわたしには出来ませんでした。また読み解く力がついた際は読み返したい本です。
 鬼の語る声についても触れているのも印象に残りました。

コメント

天照大神
2009年4月29日14:24

面白そう!
いつも興味深い本を紹介してくださってありがとうございます!

G−dark
2009年4月30日20:52

こちらこそいつもありがとうございます!
また面白い本があったらレビュー書きますね^^

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索