中村うさぎ 『さびしいまる、くるしいまる。』
2009年6月8日 おすすめの本一覧 コメント (2)
中村うさぎさんがかつて1人のホストに貢いで貢いで貢ぎまくっていた頃の窮乏のさまと心情を嘘偽りなく書き綴った本です。
「オヤジな遊びをしてみたい」と始めたホスト遊びにどっぷり浸かり。
気づけば高級シャンパン抜き放題、序盤から120万円以上が文字通りに泡と消ゆ。
昔からありのままの自分を愛そうとして愛せずにいる中村うさぎさんは、美しい顔と無垢な心を持つ男に「ありがとう」と感謝される自分を愛そうとした・・・そう振り返っておられます。
中村うさぎさんのコンプレックス。それは、凡庸な容姿に生まれついたこと。
読者であるわたしから見れば、中村うさぎさんは整形する以前から綺麗な顔をなさっていると思うのですが・・・。
自分は美しくない。・・・きっと頭が良い分、事実を誤魔化しなく捉えることが出来るのでしょうね(前述した通り、わたしには事実とは思えませんが)。こんな自分は愛せない。けれど自分を愛したいという欲求はある。その欲求は強い。だからかえって理想は高くなってしまうのかもしれません。けれど自分は自分のまま。自分を愛したいのに。・・・それらの想いがせめぎ合う。
そのたとえようもない欠落感を埋めるために、中村うさぎさんはお金を遣って遣って遣いまくったそうです。
自分の武器は美貌ではなくお金だ、お金を遣って何が悪いの、と思っていたから。
お気にいりのホストをお店の上位ホストにするためにドンペリを抜きまくり、ホストと互いを祝福し合い、シャンパンに酔うというよりもホストとの一体感に酔った。
その男の美しさに見惚れ、「自分もこんなに美しかったなら自分の人生はもっと素晴らしかったのだろうか」と考える。・・・その男を、自分が失った或いは自分が得られなかった自分として見つめた。だから中村うさぎさんは自分のために浪費を続けた。理想の自分に「あなたが必要だ」と言われ、「ありがとう」と言われたかったから・・・。そう言われる自分なら愛せる気がしたから・・・。
そのために月200万円以上ものお金を躊躇いながらも遣い、夫の父が危篤だというのに駆けつけることなくホストクラブへ向かい、預金口座にはもはや数万円のお金も残っていないのに1本100万円のブランデーを入れ、・・・ついに区役所に預金口座を差し押さえられ預金残高0となったそうです。1円すら残らぬ、0。
中村うさぎさんは頭が良いけれど愚かだ、そう思う方も多いことでしょう。
けれど、その行いを笑うことが出来る女性はいるのでしょうか?
わたしはこの本を泣きながら読みました。
・・・わたしはハードカバーでこの本を読んだのですが、この本の文庫あとがきには後日談として、そのホストが枕営業を仕掛けてきて幻滅したことが書かれているようです。
ホストは結局ホストであって理想の自分どころか自分ではない、理想の自分はどんなにお金を遣おうとも手に入らない、手に入るのは結局ホストという職業をしている男に過ぎないのだ、ということに気づく瞬間だったでしょうね・・・。
わたしは今後文庫も手に取ってみようと思います。
「オヤジな遊びをしてみたい」と始めたホスト遊びにどっぷり浸かり。
気づけば高級シャンパン抜き放題、序盤から120万円以上が文字通りに泡と消ゆ。
昔からありのままの自分を愛そうとして愛せずにいる中村うさぎさんは、美しい顔と無垢な心を持つ男に「ありがとう」と感謝される自分を愛そうとした・・・そう振り返っておられます。
中村うさぎさんのコンプレックス。それは、凡庸な容姿に生まれついたこと。
読者であるわたしから見れば、中村うさぎさんは整形する以前から綺麗な顔をなさっていると思うのですが・・・。
自分は美しくない。・・・きっと頭が良い分、事実を誤魔化しなく捉えることが出来るのでしょうね(前述した通り、わたしには事実とは思えませんが)。こんな自分は愛せない。けれど自分を愛したいという欲求はある。その欲求は強い。だからかえって理想は高くなってしまうのかもしれません。けれど自分は自分のまま。自分を愛したいのに。・・・それらの想いがせめぎ合う。
そのたとえようもない欠落感を埋めるために、中村うさぎさんはお金を遣って遣って遣いまくったそうです。
自分の武器は美貌ではなくお金だ、お金を遣って何が悪いの、と思っていたから。
お気にいりのホストをお店の上位ホストにするためにドンペリを抜きまくり、ホストと互いを祝福し合い、シャンパンに酔うというよりもホストとの一体感に酔った。
その男の美しさに見惚れ、「自分もこんなに美しかったなら自分の人生はもっと素晴らしかったのだろうか」と考える。・・・その男を、自分が失った或いは自分が得られなかった自分として見つめた。だから中村うさぎさんは自分のために浪費を続けた。理想の自分に「あなたが必要だ」と言われ、「ありがとう」と言われたかったから・・・。そう言われる自分なら愛せる気がしたから・・・。
そのために月200万円以上ものお金を躊躇いながらも遣い、夫の父が危篤だというのに駆けつけることなくホストクラブへ向かい、預金口座にはもはや数万円のお金も残っていないのに1本100万円のブランデーを入れ、・・・ついに区役所に預金口座を差し押さえられ預金残高0となったそうです。1円すら残らぬ、0。
中村うさぎさんは頭が良いけれど愚かだ、そう思う方も多いことでしょう。
けれど、その行いを笑うことが出来る女性はいるのでしょうか?
わたしはこの本を泣きながら読みました。
・・・わたしはハードカバーでこの本を読んだのですが、この本の文庫あとがきには後日談として、そのホストが枕営業を仕掛けてきて幻滅したことが書かれているようです。
ホストは結局ホストであって理想の自分どころか自分ではない、理想の自分はどんなにお金を遣おうとも手に入らない、手に入るのは結局ホストという職業をしている男に過ぎないのだ、ということに気づく瞬間だったでしょうね・・・。
わたしは今後文庫も手に取ってみようと思います。
コメント
なんか凄い・・・・・・・・・・・・。
でも、繁華街でうろついてるホストとか
見てても意外にかっこいい人少ないんですけど
(一般人のリーマンのほうがカッコいい人
たくさん居る感じ)、やっぱりその空間だと
かっこよく見えるのかな。
一晩100万円使うとか、いろんな出版社から印税を前借りしたとかも書かれてて・・・、
うさぎささんはやっぱイッパンジンじゃないな、ってつくづく思います。
心に負ってる傷というか欠落も治療とかじゃ治りそうにないし。
たまぁにテレビに登場する売れっ子ホストとかも、「おっ!」と唸るような美形ってそうそういないですよね。
顔とかフェロモンより、むしろ喋りで勝負! みたいな。
繁華街をうろついてるホストよりも、おっしゃる通り一般人の方がかっこよかったり・・・。
やっぱホストクラブだとお客さん同士がライバルになって、「○○くん、わたしが勝たせてあげる! あっちの客が指名してるホストより絶対高く売り上げるのよ!」ってメラメラ燃えちゃって、高いお酒入れてドンペリコール浴びて闘っちゃうのかもしれませんね。
請求書が怖いけど。ひぃぃ。