以下は産経ニュースの記事「トヨタが脳波で動く車イス開発」のurlです。
 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090629/biz0906292137015-n1.htm


 >人が頭の中で考えるだけで、その脳波を感知して動く電動車イス
 >手による操作は一切不要


 是非、庶民にも手に入るような価格で流通させて欲しいです!

 わたしはこのニュースを見てすぐ、一人のお年寄りを思い浮かべました。
 わたしの勤めている施設に入居している要介護5(一番介護度が重いレベル)のお年寄りです。

 その方は「あー」など声を発することは出来るのですが、声を言葉とすることが出来ません。
 「あー」という声もなかなか出せないので、その方が今何を食べたいのか、などその方の希望がわからないのです・・・。
 「~したいですか?」「~したくないですか?」と尋ねると頷くことがかろうじて出来るレベル。
 頷くだけでもかなり疲れるらしいので(ちなみに首を左右に振ることは困難)、何か意思表示して欲しい時に毎回頷いてもらうわけにもいきません。
 首から下がピクリとくらいしか動かないので、指さしてもらうことも正直厳しいです・・・。
 その方は以前いた病院で「寝かせきり」にされていたらしく、うちへ来た当初はかなり状態が悪かったのですが、わたしの勤めている職場のリハビリのスタッフや介護スタッフが頑張って、徐々にですが表情が豊かになってきました。
 リハビリのスタッフは当然リハビリを。介護スタッフはその方をベッドに「寝かせきり」にすることはせず、毎朝その方をスタッフ2人がかりでパジャマから服へ更衣介助をし、特殊な車椅子への移乗をし(座位が取れないので普通の車椅子には座れません)、低栄養にならないよう付きっきりで食事介助をし、2人がかりでトイレへ座ってもらい、午後は他のお年寄りと一緒にお散歩にお連れし・・・、夜はまた2人がかりでパジャマに着替えてもらって、2時間おきにオムツ交換と体位変換(その方は寝返りを打てないので、床ずれが出来ないように誰かが体を向きを変えてさしあげる必要があります)など行っています。
 けれどそれでも、以前いた病院で「寝かせきり」になっていた期間が長かったのが今後の状態改善にネックとなってきます。・・・リハビリは早めに取り掛からなければいけないのに・・・。
 御家族には「(その方と)自宅で一緒に暮らしたい」という思いがあるのですが、この状態の重さではたとえ訪問看護サービスなどを利用したとしても御家族への介護負担が相当かかってしまいます。
 そういう理由もあり、わたしは出来るだけその方の状態を良くしてさしあげたいです。御家族と暮らせるように。

 
 だからわたしはその方がこの車椅子に乗れるようになることを期待します。
 頭で考えるだけで車椅子が動くのだから、その方を車椅子へ移しさえすれば、その方は自分の好きな時に好きな場所へ行けるようになるではありませんか。
 勿論、誰かが車椅子へ移さないといけないという手間は変わりませんし、この車椅子がご飯を食べさせてくれるわけではないけれど、それでもどこかへ出かける時の御家族の負担は減ると思います。この車椅子が屋外で使用可能なのかどうかは冒頭で挙げた記事では不明ですが・・・、置内で使用可能なだけでも全然違うと思います。何故なら、その方がトイレ前まで行けるようになるではありませんか。トイレを誰かに手伝ってもらった後、どこかへ自分で行けるようになるではありませんか。
 「そんな短距離を自分で行けたからって、今までと大して変わらないじゃないか・・・」と思う方もいらっしゃるでしょう。確かにその通り。その方が大邸宅に住んでいるならまだしも、普通の家の中での移動なんて短距離ですし、短時間しかかかりません。御家族にかかる負担は重いままです。
 けれど、その僅かでも短縮された時間の間に、御家族は好きなことが出来ると思います。
 ・・・本当に僅かな時間ですが・・・。
 「いつも付きっきりでないといけない」という精神的負担も減ると思いませんか? ・・・「目を離すと何かありそうで怖い」という不安が加わるかもしれませんが・・・、けれど・・・、それでも今までとは全然違う。
 凄いことです。


 長くなってしまい申し訳ありません。
 言いたいことは以下のこれだけ。
 この車椅子の開発に期待しています! 

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