車の後部座席に乗っている廉姫と、それを馬で追いかける又兵衛。スピードが速すぎて、お互いに見つめ合いながらも距離がだんだん離れて、ついに又兵衛が追いつけなくなる…。この描写が二人の運命を暗示しているように思えます。
 どんなに恋しても結ばれることを許されない二人と、「お互いに好きだから」とごく当たり前のように結婚して子どもを産み育てている野原一家の対比が何とも切ないです。そして、「義によって助太刀いたす!」と、二人の知らないずっと未来に生きているひろしたちが二人の生きた時代の人々と同じ精神を持っているのもまた切ない。心は同じ。なのに生まれた時代が違うだけでこんなにも違う…。…戦争は、情けないことに今も変わらずあるけれど。
 廉姫はその後の人生をどう生きたのでしょうか? ラストで野原一家が見上げる雲が、彼岸の世界で又兵衛と廉姫が出会えたという印だったら良いのに…とわたしはこの映画を見る度思います。いつ見ても何度見てもそう思います。

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