三浦しをん 『月魚』
2011年2月14日 おすすめの本一覧
三浦しをんさんの本を初めて読みました。すっかりファン。素敵ですね~言葉の使い方が絶妙!
特に、『水底の魚』の錦鯉の跳躍を描写した「体から振り落とされる水滴が、彗星から剥脱していく氷のかけらを思わせる(文庫本P167から抜粋)」がすごく綺麗。ああ、なぜ自分はその現場に居合わせず、そのキラキラした光景を見ることが出来ないんだと悔しくなったくらい。
一番気に入ったのは「待っていた(P150から抜粋)」の使い方。うまく言えないのですが、このたった五文字にこの150ページ以上もの物語を集約されちゃった、そうだよね、真志喜も黄塵庵もお互い待っていたからこんな結末を迎えたんだよね、たったの五文字にやられた~! ってつい唸りました。しかもこの「待っていた」の直前に「一瞬の間をおいて、早口で言い切った」を付けてるのが格好いい。これを言った時の真志喜の目を見たい。
『水に沈んだ私の村』も気に入りました。「空は極上の藍から抽出された深い宇宙の色だ。そこに純白のつややかな入道雲が染め抜かれているさまは、なんだか作り物めいて見えるほどだった。~嘘みたいに夏だ(P184から抜粋)」ですって。いい表現ですねぇ。ああ、そんな夏を感じられる登場人物たちが羨ましい。
羨ましさのあまり、タイムマシンが欲しくなりました。わたしも友達とワンピースを着たままプールに飛び込んじゃうような(P187のエピソード)爽やかな馬鹿をやらかせば良かった。
水に沈んだ村そのものについての描写には天空の城ラピュタのワンシーンを思い出しました。パズーとシータがラピュタで水の中を覗き込んでるシーン。魚が空を泳いでるんですよね。…ああ、早速DVD見なきゃ!(←ジブリっ子)
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<2月21日追記>
ところでこの本に書かれている古本売買についての考え方は、わたしにとってはとても新鮮でした。売買されている以上本は生きている、図書館に入ると死んでしまう、という考え。
特に、『水底の魚』の錦鯉の跳躍を描写した「体から振り落とされる水滴が、彗星から剥脱していく氷のかけらを思わせる(文庫本P167から抜粋)」がすごく綺麗。ああ、なぜ自分はその現場に居合わせず、そのキラキラした光景を見ることが出来ないんだと悔しくなったくらい。
一番気に入ったのは「待っていた(P150から抜粋)」の使い方。うまく言えないのですが、このたった五文字にこの150ページ以上もの物語を集約されちゃった、そうだよね、真志喜も黄塵庵もお互い待っていたからこんな結末を迎えたんだよね、たったの五文字にやられた~! ってつい唸りました。しかもこの「待っていた」の直前に「一瞬の間をおいて、早口で言い切った」を付けてるのが格好いい。これを言った時の真志喜の目を見たい。
『水に沈んだ私の村』も気に入りました。「空は極上の藍から抽出された深い宇宙の色だ。そこに純白のつややかな入道雲が染め抜かれているさまは、なんだか作り物めいて見えるほどだった。~嘘みたいに夏だ(P184から抜粋)」ですって。いい表現ですねぇ。ああ、そんな夏を感じられる登場人物たちが羨ましい。
羨ましさのあまり、タイムマシンが欲しくなりました。わたしも友達とワンピースを着たままプールに飛び込んじゃうような(P187のエピソード)爽やかな馬鹿をやらかせば良かった。
水に沈んだ村そのものについての描写には天空の城ラピュタのワンシーンを思い出しました。パズーとシータがラピュタで水の中を覗き込んでるシーン。魚が空を泳いでるんですよね。…ああ、早速DVD見なきゃ!(←ジブリっ子)
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<2月21日追記>
ところでこの本に書かれている古本売買についての考え方は、わたしにとってはとても新鮮でした。売買されている以上本は生きている、図書館に入ると死んでしまう、という考え。
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