ついに死にかけた中村うさぎ!
 金策という意味で首が回らないだけでなく、本当に首そのものが回らなくなりお風呂で溺れ死にかけたところを、ゲイの夫に救出される。…凄い人生だなぁ。

 わたし、この本を読んで後悔しました。
 何に後悔したかって、中村さんの本を、順を追って読んでこなかったことに。
 今までバラバラに読んでいたせいで、話の経緯がわかりません。
 集めます! 中村さんの本。
 読みまくって、このぶっ飛んでるいかしたセンスを身につけたいです。
 「ハゲよ!」というタイトルを付けるのも秀逸なら、ウォシュレットについての文章も秀逸(表現がちょっと…下なんで、ここでは書けません、気になる方はこの本を読んでください)。

 P179~180を読んでドキリとしました。
 余談ですが、わたしも思春期の一時期、ネットのゲーム世界に埋没し、ゲーム内の「自分」を何人も作成し、その「自分」それぞれを好みの容姿に整えたり力を付けるのに耽溺し、現実世界では飲むことも食べることも寝ることも忘れ、ネットのニュースで『○○時間ネットゲームをしていた男性が死亡』というニュースを見てもゲームにログインしまくっていました。
 あれは…中村さんに言わせれば、身体感覚を喪失した病の究極系、だったのですね。今考えると怖いです。そう、思えばあの頃、わたしは自分の顔を鏡で見て「こりゃだめだ、いじってどうにかなる人は元がいい人だ、わたしはどうしようもない」と諦め、ヴァーチャルな世界に逃げ、超ナイスバディなクール美女を作成して戦場に繰り出したりしていたのでした。
 結局わたしは途中で目が覚めて、ブサイクはブサイクなりにせめて多少は見られるブサイクになろうと美容に励むようになったのですが、あのまま目が覚めなかったらどんな「自分」がここに居たのだろうと思うとゾッとします。
 中村さんは「際限なき万能感…それは人類にとって、地獄なのか天国なのか?(P180から抜粋)」と書いておられるけれど、少なくともネットのゲームは地獄だと思います。
 なぜなら、所詮ネットのゲームなんて、お金をかけられるかかけられないかで容姿も能力も変わりますからね。課金ユーザーはいいアイテムを買ってどんどんレベルアップして、無課金ユーザーはちまちまと地道にレベルを上げていくしかない。全て自分の思い通りになる(はずの)ゲーム内において、お金を持っているか持っていないかという、どうしようもない壁があることを痛感し、それでわたしは目を覚ましたのでした。…と、余談が長くなりすみません。

 文庫版あとがきを読んでびっくりしたのですが、中村さんはその後本当にレズビアンになったのでしょうか?
 美容整形も試し、デリヘルも試し、女性も試す(P195を読む限り、実際には既に経験済みだったようですが)。
 やっぱり中村さんは凄い人です。凄いとしか言えない。
 わたし、早速中村さんの本を集めてみます!

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索