女太宰!
 この本の中でうさぎさん自身がそう自称してくれるまで、わたしはうさぎさんと太宰の共通点に気づきませんでした。
 贅沢に贅沢を重ねると共に借金を重ねまくって身を破滅させる。
 言われてみればまさに太宰ではありませんか。
 太宰は薬・酒・女に、うさぎさんはブランドものとホストにハマったという違いがあるだけで。
 でも、うさぎさんのいいところは、うさぎさん自身が話している通り、太宰のように自己憐憫に浸らないこと。
 うさぎさんは自分が便失禁した話までも(他の著書でですが)、何の躊躇いもなく書ける。
 太宰にはない才能です(褒めてええんか!?)。
 でも。その才能のために、うさぎさんは哀しい代償を払っているんですよね。
 何百万、何千万というお金をつぎ込んでも、満たされない。そんな叫びが聞こえそうで、この本を読んでいると何だか喉がカラカラに渇いてきました。
 でも、うさぎさんは同情なんて求めない。人並み外れて頭がいいからこそ、うさぎさんは色んなことに気づいたんだもの。
 買って買って買いまくって、買ったとたんに飽きて、部屋中に無残な「ブランドものの墓場」を築いていく。誰かが数点持ち去ったとしても気づきさえしない。買うことだけに意味があり、愛着は別段ないから。だから、ヴィトンのボストンバッグを猫用キャリーバッグとして使用して、ネコに便を漏らされたこともネタに出来る(物書きの哀しいサガか…)し、エルメスのコートをしわくちゃにして、それすらもネタに出来る。…なんと恐ろしい。元の顔だって十分きれいなのに、マッド高梨のもとで注射して切ってを繰り返して、もはや「うさぎさんの顔」ではなく「マッド高梨の作品」を体にくっつけて歩いている。でも、他人から見ればかーなーり破綻しているそれらのことも、全部うさぎさんの魅力なんですよね。どんな魅力かって、そりゃ~うまく言えないけど。
 うさぎさんファンのわたしとしては、是非とも、うさぎさんが「私は、人間失格だぁーっ!!!」と叫んでいるところを見てみたいです。

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