25年前の状況を少し調べてみました。
 1986年10月26日午後3時、彼は仲間と一緒に、「聖穴」と呼ばれる地底湖(水深約15m)に潜ったのだそうです。
 空気ボンベをつけて。
 でも、腰に結んでいたはずの命綱が外れてしまって、機動隊とレスキュー隊が当時捜索したけれど、彼はそのまま見つからなかった。

 今回見つかったとき、遺体は岩に引っかかっていて、現在もなかなか引き上げられずにいるとのこと。

 もしかしたら…。
 25年前、潜っている途中で何かの理由で体が岩に引っかかって動けなくなり、その時に命綱も外れてしまって、彼は助けを求める術もないまま、酸素が無くなるまで、想像を絶する恐怖と闘い続けていたのかもしれません。
 でも、もがいてももがいても、抜け出せなかった。
 だんだん息が苦しくなって…。
 …奥多摩の鍾乳洞と言うと神秘的な気もするけれど、自分の身に置き換えるとゾッとします。
 
 彼が生きていたのは22年間。
 それを上回る、25年もの歳月、彼は冷たく暗い水の中で待ち続けていたんですね、誰かが見つけてくれるのを…。
 死んでしまったらもう痛みも悲しみも感じないとは思うけど、それでもこの人はこの25年間、ずっと寂しくて怖くてたまらなかっただろうと思います。

 早く彼が地上へ引き上げられて、25年間着続けたダイビングスーツからも解放されて、懐かしい家族のもとへ帰れますように…。
 

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