前向きに振舞う=良いこと、とは限りません。
 時には、負の感情を吐き出すことで救われることもあるから。
 けれど、そうと知りながらも、他人に嫌われたくないが故に、人は「善い人間」を装います。
 いつもニコニコして、無理をし過ぎて、細い神経の糸1本でなんとか正気を保っているような状態になる。
 そしてある日プツンと、切れてしまう。

 ムックの『大嫌い』は潔いです。
 果たしてここまで「キライ、キライ、キライ、キライ、キライ、キライ…」と叫び続ける曲が他にあるでしょうか。
 「あなたが大嫌いです」「ずっと知ってると思ってました」「そんなに驚くことないでしょう」と歌う曲が他にあるでしょうか。
 この曲を聴いていると、なんともいえない背徳感に酔ってしまいます。醜い自分を赦されたかのような気分にさえなる。
 人間はもともとそんなにキレイなもんじゃないだろう、キライな奴くらいいるだろう? キライだってはっきり言えよ、と言わんばかりの、性善説を嘲笑うかのようなこの曲がたまらない。

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