矢口 史靖 『小説 ロボジー』
2012年3月26日 おすすめの本一覧
「『ロボジー』のDVDはまだ出んのか! けしからんっ!」と、何だかお年寄りっぽい口調および気分で購入した一冊。
わたし、映画『ロボジー』、すごく好きなんです。職場の後輩に「映画館で見たけど面白くなかったですよ」と言われて、実際に映画館で観たら面白くて、思わず「面白かったじゃないの!」と職場で後輩を注意しそうになりました(笑)。
わたしの職場が介護施設ということもあり、わたし、お年寄りが主人公になっていて、尚且つ、お涙頂戴じゃなくて単純に爆笑できて、しかもラストは「このじいさん、ちょっと花さかじいさんっぽいじゃ~ん。やるじゃん、じいさん」とニンマリできる、そんな映画が作られたことがとても嬉しいのです。
若者がお年寄りに頼みごとをするなんて滅多に無いこの時代ですが、この映画ではお年寄りが主人公。また、お年寄りが周りの人に「認知症になったんじゃないか」と疑われて悔しい思いをする様子もよく描けていました。
余談ですが、いくつかの介護施設職員と症例発表会を行った際、ある施設の介護職員が「足が痺れる」と何度も訴えるお年寄りについて、「普段はしっかりなさっているのですが、『足が痺れる』と何度も訴える、という認知症状があります」とキッパリ言い切ったことがありました。「認知症じゃなくて本当に痺れてるんじゃないですか? 例えば腰部脊柱管狭窄症とか」と指摘したら、慌ててその介護職員がそこの施設の看護師に確認を取り始め、本当に腰部脊柱管狭窄症だった…ということがありました。介護施設で働いているプロすら認知症についてよくわかっていない事もあるのだから(そもそも看護師も、知ってるなら教えといてやれよ!)、家族なんて尚更わからないですものね。
この映画でも、「最近怒りっぽいですよね」という理由で、お年寄りが認知症を疑われています。…怒りっぽいのは元からかもしれないのに。更に余談ですが、うちの施設に入居申し込みをしに来る家族には、お年寄りがどういう認知症を持っているか確認するのですが、その際「お金に細かくて、年金の管理をわたしたちに任せてくれず、勝手に銀行にお金を下ろしに行く」「家の中でテレビばかり観て、食べたら寝る生活。やる気を出して欲しい」「夜中に冷蔵庫を開けて、お菓子を食べる。夜中に何か食べるなんて」といった話を聞くこともあります。…それ、認知症じゃないと思いますよ…。元々お金に細かいんだろうし、元々ぐうたらなんだろうし、元々夜中に小腹が空いて何かつまんでたんだと思いますよ…。と思って本人たちに聞いたら「昔からこうしていた」とおっしゃいましたもん。
さて、映画の話に戻りますが、ロボットが投身自殺(?)するシーンも衝撃的で笑えるし、冒頭で男3人ぐうすか寝ててヨダレが美しいツララの如く流れているし、と、笑い所満載でとにかく楽しめる映画でした。吉高由里子ちゃん演じる葉子の変態っぷりも良い。二次元の嫁を認めるなら、ロボットとの結婚を夢見るのもアリなのか? アリなのかぁぁぁぁ…。
ということで(どういうこと?)、これだけ語るほど好きなので、早くこの映画のDVDを出して欲しいんですけどまだ出ない! けしらん! ということでこの小説を読みました。
やっぱり小説版も面白いです。
「小林は、あまりの展開に脳味噌がゆであがりそうな気分だった。見ると太田の汗腺は決壊し、その隣では長井がゲロを吐いていた」(P110から抜粋)ですって。この一文だけで、映画のワンシーンが鮮やかに脳裏によみがえります。…食事前にはよみがえって欲しくないですけど、ね。コミカルな文章表現って好き。
また、映画を見て、「なんであのじいさん、インタビューの練習なんてしてたんだ?」と首を傾げてしまった人には、是非この小説を読んで欲しいです。「ああ、そういうことか、じいさん!」と納得できるはずですから。
けれど。
ひとつ引っかかったことがあります。
もしかしたら、映画でも触れられていたのかもしれません。
それを、わたしが聞き逃してしまっただけなのかもしれません。
…けれど。
ロボットの機能について説明する一文が、どうしても引っかかってしまいました。
「走りながら本を速読したり」(P279から抜粋)って何なんだっ?
新時代のロボットは、走りながら本を速読する機能を搭載せにゃならんのかっ?
わたし、映画『ロボジー』、すごく好きなんです。職場の後輩に「映画館で見たけど面白くなかったですよ」と言われて、実際に映画館で観たら面白くて、思わず「面白かったじゃないの!」と職場で後輩を注意しそうになりました(笑)。
わたしの職場が介護施設ということもあり、わたし、お年寄りが主人公になっていて、尚且つ、お涙頂戴じゃなくて単純に爆笑できて、しかもラストは「このじいさん、ちょっと花さかじいさんっぽいじゃ~ん。やるじゃん、じいさん」とニンマリできる、そんな映画が作られたことがとても嬉しいのです。
若者がお年寄りに頼みごとをするなんて滅多に無いこの時代ですが、この映画ではお年寄りが主人公。また、お年寄りが周りの人に「認知症になったんじゃないか」と疑われて悔しい思いをする様子もよく描けていました。
余談ですが、いくつかの介護施設職員と症例発表会を行った際、ある施設の介護職員が「足が痺れる」と何度も訴えるお年寄りについて、「普段はしっかりなさっているのですが、『足が痺れる』と何度も訴える、という認知症状があります」とキッパリ言い切ったことがありました。「認知症じゃなくて本当に痺れてるんじゃないですか? 例えば腰部脊柱管狭窄症とか」と指摘したら、慌ててその介護職員がそこの施設の看護師に確認を取り始め、本当に腰部脊柱管狭窄症だった…ということがありました。介護施設で働いているプロすら認知症についてよくわかっていない事もあるのだから(そもそも看護師も、知ってるなら教えといてやれよ!)、家族なんて尚更わからないですものね。
この映画でも、「最近怒りっぽいですよね」という理由で、お年寄りが認知症を疑われています。…怒りっぽいのは元からかもしれないのに。更に余談ですが、うちの施設に入居申し込みをしに来る家族には、お年寄りがどういう認知症を持っているか確認するのですが、その際「お金に細かくて、年金の管理をわたしたちに任せてくれず、勝手に銀行にお金を下ろしに行く」「家の中でテレビばかり観て、食べたら寝る生活。やる気を出して欲しい」「夜中に冷蔵庫を開けて、お菓子を食べる。夜中に何か食べるなんて」といった話を聞くこともあります。…それ、認知症じゃないと思いますよ…。元々お金に細かいんだろうし、元々ぐうたらなんだろうし、元々夜中に小腹が空いて何かつまんでたんだと思いますよ…。と思って本人たちに聞いたら「昔からこうしていた」とおっしゃいましたもん。
さて、映画の話に戻りますが、ロボットが投身自殺(?)するシーンも衝撃的で笑えるし、冒頭で男3人ぐうすか寝ててヨダレが美しいツララの如く流れているし、と、笑い所満載でとにかく楽しめる映画でした。吉高由里子ちゃん演じる葉子の変態っぷりも良い。二次元の嫁を認めるなら、ロボットとの結婚を夢見るのもアリなのか? アリなのかぁぁぁぁ…。
ということで(どういうこと?)、これだけ語るほど好きなので、早くこの映画のDVDを出して欲しいんですけどまだ出ない! けしらん! ということでこの小説を読みました。
やっぱり小説版も面白いです。
「小林は、あまりの展開に脳味噌がゆであがりそうな気分だった。見ると太田の汗腺は決壊し、その隣では長井がゲロを吐いていた」(P110から抜粋)ですって。この一文だけで、映画のワンシーンが鮮やかに脳裏によみがえります。…食事前にはよみがえって欲しくないですけど、ね。コミカルな文章表現って好き。
また、映画を見て、「なんであのじいさん、インタビューの練習なんてしてたんだ?」と首を傾げてしまった人には、是非この小説を読んで欲しいです。「ああ、そういうことか、じいさん!」と納得できるはずですから。
けれど。
ひとつ引っかかったことがあります。
もしかしたら、映画でも触れられていたのかもしれません。
それを、わたしが聞き逃してしまっただけなのかもしれません。
…けれど。
ロボットの機能について説明する一文が、どうしても引っかかってしまいました。
「走りながら本を速読したり」(P279から抜粋)って何なんだっ?
新時代のロボットは、走りながら本を速読する機能を搭載せにゃならんのかっ?
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