もし自分が「姑獲鳥」の正体たる人物だったら…と想像して読んだら、涙が止まらなくなりました。
 この「姑獲鳥」は化け物などではありません。
 悲しいほどに「母」なのです。
 我が子を奪われたが為に、気が狂い、「今度こそこの子を育てなくては」と他人の赤ん坊を攫うようになった、哀れな「母」…。
 わたしはまだ誰かの「母」になったことはありませんが、「母」から「子」を奪うのは何と残酷なことだろう、と、この小説を読み終えた今も胸が痛んでいます。
 いつかわたしが「母」になる時にもまた、この小説を読みたいです。
 たとえ子どもがどんな姿で生まれても、守り通せるように…。

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