制作から二十年以上経っても決して色褪せない傑作。
 台詞回しといい音楽といい、まさに大人のためのルパン。
 作品全体には気だるさが漂い、その中にあって、故・山田康雄さん演じるルパンが実に痛快で、絶妙のスパイスになっています。

 当時の最先端コンピューターやコンピューターウイルスがテーマになっている為、現代人から見れば「えっ? これってパソコンなの!?」「えっ? 何? この人たちフロッピーディスク使ってるよ!?」などと違和感を覚える所は多々あるけれど、コンピューターを操作するピ、ピ、ピ、ピ、ピという音が妙に心地よいです。
 きっと当時の人々はこの作品を見て、コンピュータを畏れ、また、憧れたのでしょうね。

 今作のヒロイン・イザベルの色っぽさも堪りません。
 エロさ・いやらしさと色っぽさとは、似ているようでいて実は全く違うものです。
 イザベルは色っぽいです。しかも物凄く。
 頭脳明晰で、且つ、その悪女っぷりは潔ささえ感じるほど。
 それなのに何故か憎めません。
 我が子マイケルに再会した時の慈愛に満ちた眼差しが、そう思わせるのでしょうか?
 イザベルに会ったら「馬鹿やろう!」と叫ぶつもりだったマイケルも、実際にイザベルと対峙したら想いが胸に詰まって、「…うん」としか言えなくなってしまいました。
 イザベルには悪女にならざるを得ない事情があったのかも…と想像させられます。
 男ならこういう女に一度は騙されてみたいとさえ思えるような、いい女。
 五エ門がイザベルに惚れる理由もわかるなぁ…。
 
 たとえ自分を裏切った女でも、自分が惚れた女を傷つけた者を許さず、素早く斬った五エ門の男ぶりにも惚れ惚れします。

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