忍に襲われて命を落とした家老・平手政秀の死を、「どこの誰かもわからない相手に殺されたなんて、武士としてこんな不名誉なことはない………」という理由から、諌死(主君の行いをいさめるため自ら死ぬこと)として発表したサブローが、天下取りに向け心を新たにする、という冒頭から2巻は始まります。

 2巻でついに斎藤道三登場…!
 …そのビジュアルに、わたくし一瞬固まってしまいました。
 この漫画における斎藤道三のその姿は…、見事なスキンヘッド、細長く整えられた口ひげ、そして何といっても…ああ何と言うことでしょう…鋭い切れ長の目尻の睫毛だけがベルバラのオスカル並みに長~い。
 何故だ!
 睫毛用育毛剤でも使っとんのかと思うほど、目尻の睫毛が立派…。
 何故だ!
 よく見ると、目尻だけではなくて、下睫毛も細かく描き込まれておる!
 何故だ!!
 
 さて、斎藤道三は娘・帰蝶の婿である信長、もといサブローと会見。
 そして、正装のつもりで高校の制服姿で現れたサブローを「お主は……わしと同類よ…!」と気に入り、斎藤道三もまた、己の正装に着替えるのです。
 …警察官の制服に。
 そう!
 奥様は魔女…じゃなくて、斎藤道三はおまわりさんだったのです!
 かくして、平成の世から戦国時代へタイムスリップした者同士が、偶然か必然かは定かではありませんが、舅と婿という立場で出逢い、絆を深めたのでした。
 斎藤道三は自分が元の時代に戻れないだろうと予感しており、「お主はまだ若い。この先…いつか元の時代に帰れる日が来るやもしれん。もしそのときが来たらこれを…この服を娘(平成の世にいる娘)に渡してほしい…わしの、形見として…」と、サブローに警察官の制服を預けます。
 その後斎藤道三は息子・義竜に軍勢を差し向けられます。
 斎藤道三は「あやつをわしの戦に巻き込む気はない…信長には、生きてもらわねばならぬ……!」という想いから、サブローへ援軍を要請せず、僅かな手勢で息子・義竜の軍勢に臨むことに…。
 サブローは駆けつけようとしますが間に合わず、斎藤道三は討ち死に。
 討ち死に間際の斎藤道三から「これを信長に届けてほしい」と包みを預かり、その包みを必死の思いでサブローに手渡した家臣も、義竜の兵に矢で射られて死亡…。
 包みには、ピストルと、平成の世にいる娘へ宛てた手紙が…。

 と、何とも苦いシーンが続きますが…、2巻の中盤では、サブローが領内の村の者たちと角力(すもう。この漫画では「相撲」ではなく「角力」と表記されているので、わたしもそれに倣います)を取るシーンがあり、少しほっとさせて貰いました。
 その角力シーンに、なんと10歳のお市が!!
 浅井長政ファンのわたくしとしましては、のちに浅井長政の妻となる、信長の妹・お市もまた憧れの存在。
 この2巻においてはお市はまだ10歳ということですが、なかなか器量良し! 素晴らしい!

 サブローは生八ツ橋食べたさ故に「京都行きたいひとー!」と修学旅行のつもりで、京都上洛の参加者を募ります。
 家臣の犬千代が「あ、殿、殿、それがし元服して犬千代ではなく利家になり申した…」と言ったのに、サブローは「犬千代以外に行きたいひとー!」と他の者にも声をかけます。
 何故そこで華麗にスルーするっ! ←これはダジャレじゃありません!
 利家っちゅうたら…前田利家じゃありませんか!
 何故スルーするっ! ←これはダジャ(以下略)
 
 かくして、サブローがわずか20人のお供を連れて馬を駆け、各地の関所を破りまくって京都へ疾走するくだりは実に痛快。
 そして第13代将軍・足利義輝に「将軍になりたいということは…我が足利家を、滅ぼすということか?」と問われて「滅ぼさないと天下がとれないなら、滅ぼすしかないでしょうね」と答えたことで、逆に「なんと正直なのだ…」と気に入られ、足利義輝から太刀を拝領し、帰蝶へのお土産まで頂いたサブロー。
 器がデカいぜ。
 …けれど、偶然本能寺の前を通りかかった際、「信長がここで殺されるんじゃなかったっけ」とまでは思い出したものの、「あいださん! あいださんに攻められるんだ!」と、日本史の先生に激怒されそうな台詞を吐いたサブロー…。
 器が…、…うぅむ。

 2巻は、今川義元の約4万の軍勢が尾張に侵攻してきたため、サブローが領民の助けを得ながら、桶狭間に向かって奇襲攻撃にかかるところで終わり、3巻へと続きます。
 「目指すは、今川義元!!」と先陣を切るサブローの凛々しさに、胸が熱くなりました。
 この勇姿を、亡き家老・平手政秀にも見せたいですね…。

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