サブローはあっさりと今川義元を討ち取りました。
 今川義元の顔さえ登場せぬまま、サクッと桶狭間の戦い終了!
 …桶狭間の戦いと言えば、『SPEC 天』で瀬文さんが未詳のデスク上に合戦ミニチュアをセッティングし、「折しも降った激しい雨が、人馬の音をかき消した…!」と霧吹きをシュッシュッとしながら合戦の様子を再現しようとしていた、あの桶狭間の戦いではありませんか…! ←別の作品の話をしてすみません。でも瀬文さん大好きです。
 さて、読み手としては、この漫画において、織田の奇襲に驚愕する今川義元の姿とか、混乱する今川軍とか、そういうのを描いて欲しかったので、この展開は、正直言うと肩透かしをくったような気分…。
 せっかくの見せ場を敢えて軽く流した作者の真意は一体…?

 織田家は籠城するものと高をくくり、今川軍に「織田家籠城と決定。安心して進軍なされよ」と矢文を放ってしまった木下藤吉郎は、敗戦の跡地で「義元公…織田家籠城というのは……誤りでした」と呆然と立ち尽くします。
 心から今川義元に詫びる藤吉郎なのに、今川の忍は藤吉郎を疑い、「義元公はお主を信頼していた。お主が籠城といえばそれを信じる」と責め、裏切り者として殺そうとします。
 それを藤吉郎は返り討ちにしますが、負傷しました。
 …なるほど、こうして藤吉郎はサブローへの憎悪を募らせていくのですね。
 作者は、こういう話の持って行き方が巧いですね。

 それにしても、松平竹千代改め徳川家康は、サブローがあげたエロ本の影響で、すっかり女好きになってしまいました。
 女性たちを大勢侍らせていて、家康が移動すればハーレムもまた移動する、といった具合。
 家康が帰蝶やお市を気に入らないか心配です。

 竹中半兵衛も登場して、しかも端正な顔立ちである上、切れ者であるという風に描かれていて、読み手としては嬉しい!

 そしてやっと3巻目にして、本物の信長が再び登場。
 …本物の信長が、なんと「明智光秀」を名乗り、サブローに仕える、という展開に…!
 本物の信長は、サブローに対して害意が無いかのように見えますが、それに付き従う沢彦和尚がどう考えても怪しい…。

 しかしながら、ここにきてようやく、この漫画のタイトルが「信長協奏曲」である意味がわかって参りました。
 本物の信長と、にせの信長とが作り出す物語…ということですね。
 不協和音を奏でなければ良いのですが。

 またまだこの漫画から目が離せません。

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