岡野雄一『ペコロスの母に会いに行く』
2015年1月29日 漫画
コミックエッセイ。
他人様のお母さんを「可愛い」なんて言っては失礼かもしれないですが、作者・岡野さんのお母さん・みつえさんがほんわか可愛いので、ページを捲っているだけで何だか心が和みます。
認知症になった母の介護が大変だ!と嘆くタイプのコミックエッセイではなく、むしろ、あとがきで岡野さんが「忘れることは、悪いことばかりじゃない」とおっしゃっている通り、認知症になった母もまた母なのだと受け入れようとしている好印象を受けました。
『ペコロスの母に会いに行く』というタイトルも、うまいタイトルを付けたなーと感心させられました。
「母に会いに行く」とは、単に施設に入居している母の面会に行くというだけではなくて、認知症の影響によって会う度に違う歳の女性になっている母と向き合うことで、まるで時代を超えて色んな「母」に会いに行っているような気がします。
今では年老いて認知症となった母、老いてはいてもまだ認知症が進行していなかった頃の母、夫や子どもたちと暮らしていた頃の母、まだ赤ちゃんだった我が子を亡くした頃の母、まだ嫁入り前の娘だった頃の母、兄弟たちの子守や親の手伝いでなかなか学校にも行けない少女だった頃の母…。
どれもこれも「母」の歴史ですものね。
歴史に名を残すような何か偉大なことを成し遂げた女性というわけでなくても、普通の一人のおばあちゃんにも何十年という人生の歴史がある、ということを教えてくれる一冊です。
エピソードの中では特にP62〜P63に掲載されている「命がすれ違う」というエピソードが素敵です。
命のバトンタッチは決して悲しいものではなく、むしろ希望に満ちたものなのですね。
他人様のお母さんを「可愛い」なんて言っては失礼かもしれないですが、作者・岡野さんのお母さん・みつえさんがほんわか可愛いので、ページを捲っているだけで何だか心が和みます。
認知症になった母の介護が大変だ!と嘆くタイプのコミックエッセイではなく、むしろ、あとがきで岡野さんが「忘れることは、悪いことばかりじゃない」とおっしゃっている通り、認知症になった母もまた母なのだと受け入れようとしている好印象を受けました。
『ペコロスの母に会いに行く』というタイトルも、うまいタイトルを付けたなーと感心させられました。
「母に会いに行く」とは、単に施設に入居している母の面会に行くというだけではなくて、認知症の影響によって会う度に違う歳の女性になっている母と向き合うことで、まるで時代を超えて色んな「母」に会いに行っているような気がします。
今では年老いて認知症となった母、老いてはいてもまだ認知症が進行していなかった頃の母、夫や子どもたちと暮らしていた頃の母、まだ赤ちゃんだった我が子を亡くした頃の母、まだ嫁入り前の娘だった頃の母、兄弟たちの子守や親の手伝いでなかなか学校にも行けない少女だった頃の母…。
どれもこれも「母」の歴史ですものね。
歴史に名を残すような何か偉大なことを成し遂げた女性というわけでなくても、普通の一人のおばあちゃんにも何十年という人生の歴史がある、ということを教えてくれる一冊です。
エピソードの中では特にP62〜P63に掲載されている「命がすれ違う」というエピソードが素敵です。
命のバトンタッチは決して悲しいものではなく、むしろ希望に満ちたものなのですね。
コメント