「私は、子どものころから、和の文化に慣れ親しんで育ちました。物心つくころから着物に親しみ、着付けは母から学びました。書道は五歳、茶道と華道は七歳からお稽古を始め、ほかにも地唄舞、狂言、懐石料理、日本刺繍、古美術などを学びました」(P12から抜粋)

という著者の文章に、わたしはこの本を開いてかなり早い段階でフリーズ!

和に関する様々なことって、お金の話をするのは野暮で申し訳ないのですが、でも、とにかくお金がかかります。

まず入門にかかるお金、月謝、それぞれのお稽古ごとに必要な物品にかかるお金、季節ごと或いは展示会の度に先生へ付け届けをし、何かの会が催される度にたとえ自分が当日行けないと分かっていてもチケットを購入、などなど。

わたし自身、いくつか和のお稽古ごとをしていますが、給料日には「諭吉さんこんにちは、そしてすぐさまさようなら」といった感じで福沢諭吉氏数人が風と共に去りぬ。

もちろん好きで始めたことですし、これからも続けるつもりでいますが、でも、もっとお財布に優しければ、敷居がぐっと低くなって、より多くの日本人自身が日本の伝統文化に親しめるようになるのに!と思います。

…さて、話がこの本そのものから逸れてしまいましたので、話を戻します。

著者は先述の文章から続けて、こうおっしゃいます。

「だからといって、私はけっして「お嬢さま育ち」などではありません。では、どうしてこれほどたくさんのお稽古ごとに通ったかといえば、答えは単純。どのお稽古ごとも、どうしてもやってみたいと思ったからです」(P13から抜粋)

と。

すごいなぁ…。

勿論、決して貧乏な方ではないでしょう。
複数の和のお稽古ごとを続けられる環境にいるのですから。

でも、どんなに裕福であっても、ただただ高価なものを買うだけで満足する人もいるなかで(経済活動に貢献してくださっていて本当にありがたいのですが)、自分の身につくことにお金と時間を使える人って非常に憧れます。

そういう人にわたしもなりたい…。

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