編…西日本新聞社『新 移民時代 外国人労働者と共に生きる社会へ』
わたしがよく行くコンビニではインド人がレジを打ってくれて、カレーを買うとなぜか褒めてくれます。

以前わたしが勤めていた介護施設では、インドネシア人が日本語を勉強しながらひたむきに働いており、その時仲良くなった子の一人は既にインドネシアに帰りましたが、今もわたしと連絡を取り合っています。

近所の工場では、日本人との間に子どもを授かった中国人やフィリピン人の女性たちが働いており、よく子どもを連れて公園に来るのを見かけるので挨拶すると、母国語を教えてもらえます。
おかげさまで中国語やタガログ語の簡単な挨拶が出来るようになりました(試しに翻訳アプリに向かって、教えてもらった挨拶を喋ってみたら、ちゃんと認識しました)。
わたしの方はお礼に日本語を教えています。

日本のあちこちで、外国人観光客だけでなく、日本に住んでいる外国人を見かけます。

見た目は外国人だけれど、中身は生まれながらの日本人、という人も少なくないでしょうが、話しかけてみると日本語が通じない場合が多いので、恐らく留学生か実習生なのだろうな、とわたしは勝手に想像しています。

日本は人口減と少子高齢化で人手不足が深刻になる一方ですから、これから先どんどん在留外国人労働者が増えるでしょうね。

日本政府は建前上「移民政策はとらない」としていますが、実質は外国人の労働力にかなり頼っています。

日本人と結婚して永住する人もいるし、在留外国人同士が結婚するケースもあるので、そのうち純血の日本人は絶滅危惧種になるのでは?と危惧して、わたしはこの本を読んでみました。

主に九州で暮らす外国人の実像についての本です。

留学生による不法就労、技能実習生の過酷労働の問題にも触れています。

現代の蟹工船とも言うべき酷い労働条件でこき使われ、給料は安く、しかも技能実習ビザは短い期間しかなくて、就労ビザ取得は困難。

母国に一旦帰る頃には日本が嫌いになっているという…何とも辛い現実が書かれています。

わたしは特に、P38〜39の外国人留学生・実習生の失踪についてのページに目をみはりました。

P39にある記述によると、2015年の1年間だけでも、福岡で157人、佐賀で14人、長崎で65人、熊本で89人、大分で61人、宮崎で34人、鹿児島で63人…計483人が失踪し、そのうち80人程度が留学生と見られるのだそう。

なんじゃこりゃ!

みんなどこへ消えたのですか?

よほどの爆弾が炸裂でもしない限り、人間が水分みたいにパッと蒸発するわけないのに、みんな一体どこへ行ってしまったのでしょう…。

勉強や仕事が嫌になって逃げ出して、いずれ不法滞在者として見つかって母国へ強制送還されるなら、まだ幸せな方かもしれません。

下手したら、犯罪に巻き込まれている場合や、逆に犯罪をする側となっている場合もありますから…。

そうなると相手国との対応が煩雑になってくるから厄介です。

それでも日本の人口減少には歯止めがきかないので、外国人に頼らざるを得ないのが現実…。

たまにアホな政治家などが「産まない人間は生産性がない」とのたまっていますが、今の日本では子どもを産めるのは相当恵まれた人か、相当楽観的な人だ、とわたしは思います。

給料が安く、サービス残業が多く、税金は上がる一方で、自分たちが年老いた時の年金をあてに出来ず(個別に企業年金などをしっかりかけている人は別ですが)、保育園や幼稚園に確実に子どもを入れられる保証もなく、かといってその親の世代はそのまた親の世代を老老介護や病病介護していて子育てを援助して貰えなかったりするので、「本当は子どもが2人くらい欲しいけど、きちんと育ててあげられるか自信がないから、子どもは1人までか0人にしよう」という思考に行き着くのは当然の流れ。

責任感のある人であればあるほど、そう考えると思います。

今の日本の平均給与水準では多くの人が共働きとなりますが、子どもってすぐ病気になるし、そうなったら保育園や幼稚園からは「迎えに来てください」と言われるし、職場に迷惑をかけて早退せざるを得なくなるなら、子どもの年齢が離れるように調整するか人数を調整するしか無いと考えるのはごく自然なこと。

子どもの年齢が離れるように調整した後、確実に妊娠できるかどうかは神のみぞ知るところで、やはり少子化は進みます。

よほど富裕層であるとか、親に子守りを頼めるとか、職場に子育てに理解があって子どものいない同僚だけに負担がいったりせず、みんなが働きやすい、などでない限り、現実はかなり厳しいです。

勿論、実家にも頼らず共働きしながら子どもを育てている人は沢山いますが、それはその人たちが頑張っているからであって、その努力を当たり前だと思って、そうしない、そうしたくでも出来ない人たちを「生産性がない」などと言われたらたまったものではありません。

安心して子どもが産める政策に今から慌てて日本がシフトしていったとしても既に手遅れで、子どもが義務教育や高等教育などを経てやっと社会人になれる時には…、日本国内には今以上に外国人が溢れかえっているのでしょうね。

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