『めんたいぴりり』と『めんたいぴりり2』
『めんたいぴりり』と『めんたいぴりり2』
※注
結末までは明かしませんがネタバレを含みます。


Huluのおすすめ動画一覧を何気なく眺めていたら、「めんたい」の文字を見つけました。

明太子が大好きなわたしは、軽い気持ちでドラマ『めんたいぴりり』を観始め、一気に全エピソードを鑑賞し、続く『めんたいぴりり2』もハッと気づいた時には鑑賞し終えていました。

戦中戦後の辛い時代を描くシリアスパートと、「ドリフか!?」とツッコミを入れたくなるハチャメチャ過ぎるコメディパートのメリハリが素敵。

泣いたと思ったら次の瞬間には笑えて、またその後は泣ける。

何ともせわしないのですが、そこがいい。

たまたま冷蔵庫に明太子があったので、わたしは登場人物たちが「めんたい」を作ったり、売ったり、もっと美味しくしようと工夫を重ねるシーンを見ながら明太子を食べました。

やっぱり何度食べても明太子は美味しい。

あたたかいご飯の上に乗せると最高!

パスタに乗せても最高!

そのまま食べても最高!

だからこそ、『めんたいぴりり』の中で、主人公が沖縄戦で戦友を亡くす際に、その瀕死の戦友にめんたいを食べさせるシーンが心に焼きつきました。

めんたいは無いんです、実際には。

戦友も、主人公も、お腹を空かせています。

そりゃそうですよね、敗色濃い沖縄戦の最中ですから。

めんたいどころか、他の食べ物もありません。

負傷して衰弱した戦友が空想の羊羹を食べる真似をするので、主人公は空想のめんたいを食べて「うまかー!」と笑うんです。

もう目を開けることも出来なくなった戦友が「食べてみたいわぁ…」と呟いたので、主人公は空想のめんたいを戦友にも食べさせてあげるんです。

戦友は京都出身で実家は和菓子屋。

戦友はめんたいの味を知らなかったから、「甘いなあ…羊羹より甘い…」と言って息絶えました。

お腹を空かせたまま、故郷に残した家族に会えないまま、死んでいった戦友の姿。

その姿が主人公の心に刻み込まれて、みんなに美味しいものを食べてもらいたいと戦後の厳しい時代を生き抜いて、美味しいめんたいを作って売るようになるというストーリー。

戦友が死なずに生きていれば、本物のめんたいを食べて「辛い」と言えただろうに、空想の羊羹じゃなくて本物の羊羹を、しかも実家の和菓子屋の羊羹を家族と食べられただろうに、それが叶わないのが切ないです。

なんだか無性に泣けてきて明太子を食べたら、やっぱり美味しくてまた泣けました。

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