『ファイナル・テーブル シーズン1』の全体的な感想とエピソード1「メキシコ」の感想
ブラジル、メキシコ、フランス、エクアドル、ジャマイカ、スペイン、ニュージーランド、イギリス、アメリカ、カナダ、スコットランド、南アフリカ、オーストラリア、日本といった世界各国のシェフ24人が2人1組でコンビを組み、料理の味・見た目・独創性・メッセージ性などを競い合い、世界一のシェフを決める、Netflixオリジナル番組。

まるで世界一周旅行をしているかのように、毎回違う国の料理がテーマとなります。

メキシコ料理の次はスペイン料理、その次はイギリス料理…、といった具合に。

指定された国の料理ならばどんな料理でも自由に作って良いわけではなく、例えばメキシコ料理なら「タコス」、スペイン料理なら「パエリア」といった、具体的な料理名が厳密に指定されます。

しかも、シェフたちが料理名を知らされてから、その料理に相応しいと自分たちが思う食材を選び、自分たちらしく調理し、自分たちらしい盛り付けをするまでの制限時間は、なんと60分のみ!

出場者の中には、ミシュランの星を獲得しているシェフもいるけれど、星の有無によって審査が有利になることはありません。

行ったことが無い国の、作ったことも食べたことも無い料理がテーマとなることもあるので、みんな必死!

まず、テーマ国出身の審査員3人が料理を食べて審査を行い、シェフたちは優秀な組とイマイチな組とに分けられます。

優秀な組は次の回へ進出決定!

イマイチな組には敗者復活のチャンスが与えられます。

敗者復活戦では、その国を代表する有名シェフが審査員として登場。

有名シェフからは食材が指定されます。

例えばメキシコ料理なら「サボテンの茎と実」を主役にした料理を、やはり60分間で作るよう求められます。

その敗者復活戦においてもやっぱりイマイチだった組はその回で敗退…。

こうして毎回1つの組が番組から去って行き、最終エピソードではコンビ戦ではなく、ついに1人1人での戦いとなり、最終的には最高のシェフがたった1人だけ選ばれます。

この番組をわたしと一緒に観た友人は「料理はスポーツじゃないのに競うのはおかしい」と批判的でしたし、そういう意見も尊重すべきですが、わたしはこの番組を気に入っています。

初めて見聞きする食材の数々に好奇心を刺激されるし、毎回毎回豪華なご当地食材を用意している番組スタッフの努力を尊敬するし、シェフたちの手元がアップで映るので調理や盛り付けの手順が見られて勉強になるし、シェフたちが今まで知らなかった外国の食文化を次回以降作る料理にも自然と取り入れていく過程が興味深いし、シェフたちがお互いの健闘を讃え合って握手したりハイタッチしたりハグする姿が好き!

そして何と言っても、審査員として登場する有名シェフたち一人一人の料理への美学に痺れます。

わたしは料理に詳しいわけではないので、この有名シェフたちがどれだけ凄いのか事前知識が全くないのですが、有名シェフたちが料理をする姿やその料理に込められたメッセージから(画面越しには料理の見た目しか分からず、実際に味わうことは出来ないのがとても残念!)、料理とは単に食欲を満たすだけでなく五感すべてを満足させる何かがあるのだ、と伝わってきます。

非常に興味深い番組だと思いますので、観ないのは損。

美味しい料理を食わず嫌いしているようなもの。

そこで、この番組のそれぞれの回で特にわたしの印象に残った料理やシェフたちの様子についてご紹介していきたいと思います。

全ての料理について詳細に説明してしまうとネタバレになってしまうので、要所のみ。

これからこの番組を観るかどうか迷っている方の参考になれば幸いです。

それでは早速エピソード1から参ります!


〈エピソード1 テーマ国「メキシコ」の感想〉

● 指定料理「タコス」

・サボテンの果肉の上に、巻いたトルティーヤと、金箔を飾ったバッタを乗せ、チリとメスカル酒のソースを添えた一皿
(チャールズ&ロドリゴの作品)

しょっぱなから凄いのが来ました!
テーマがメキシコなので、自ら率先してサボテンを使うシェフたちが現れることはわたしも想定していましたが、サボテンだけでなく、意外な食材も登場しました。
それはバッタ!
今後は食糧難の時代が来ることを想定し、「持続可能な食材として、バッタが美味しいことを伝えたい」と、なんとバッタを使ったタコスを作るとは…。
未来まで見越した料理ということでしょうか。
盛り付けもどこか近未来的。
審査員にも「トルティーヤとバッタの食感が合う」と高評価でした!
バッタはメキシコでは割と一般的な食材のようです。
日本で言えば、イナゴよりも更にポピュラーな位置付けなのでしょうか?
それにしても、人口の増減、資源の枯渇といった問題があり、現代のわたしたちにとって馴染みのある食文化を今後も維持出来るかどうかは分からないし、いずれ虫を食べないと生きていけない時代が到来するなら、虫を美味しく食べられるレシピを考案してくれるのって有り難いですよね。



・青いトルティーヤの上に、マスの卵、コーンカスタード、ウニ、サルサを乗せ、ハラペーニョを添えた一皿
(シェーン&マークの作品)

シドニーの海を表現したという料理。
世間一般的なタコスのイメージとはかけ離れた見た目だけれど、食べるのが勿体なくなる、宝石のような優雅さが素敵。
パーティーでお客様に出したらテーブルが華やぎそう。
トルティーヤとウニは合うそうなので、わたしもウニの旬を見計らってトルティーヤと合わせてみたいです。
醤油をかける以外のウニの食べ方に気づかされました。
また、審査員のリアクションを見ると、この料理はチリがとても効いているようなので、辛党のわたしとしては是非食べてみたいです。



・トルティーヤの上にパイナップルと豚肉を乗せた伝統的なタコスと、アジア風の羊の焼肉を乗せたタコスに、ポン酢とアジア風コンソメを合わせた一皿
(ラファ&エスドラスの作品)

さりげない盛り付けだけれど、実はとても手が込んでいることが伝わってきます。
その見た目から味を想像しやすいこと、サイズ、量、内容から考えると、胃もたれしたりせず食べ切れそうなので、もし日本のカフェで出したら、老若男女問わず注文しそう。



●指定食材「サボテンの茎と実」

・コリアンダーとライムとネギで作った緑色のソースの上に、塩を振ったサボテン、いぶしたハマチ、焼いたサボテンの果肉のサルサを添え、花とハーブで飾りつけた一皿
(アレックス&アッシュの作品)

サボテンの茎と実ではなくハマチが主役になってしまった印象ではありますが、いぶしたハマチの味と食感を想像するだけでお腹が空いてきます。
甘酸っぱさと塩気が感じられる味とのことなので、カルパッチョのようなイメージでコース料理に出てきてもおかしくなさそう。
わたしもサボテンが手に入れば真似して作ってみたいです。

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