監修…徳田竜之介『どんな災害でもネコといっしょ』
被災して、飼い主とペットが離れ離れになると、お互いに辛い思いをすることになります。

しかし、ペットに対して良い感情を持っていない人や、アレルギーを持つ人も居るため、同じ避難所で受け入れてもらうのはなかなか難しい現状があります。

この本は、災害時に飼い主とペット両方が安心して避難生活を送るため、飼い主が普段から「もしも」に備えて行っておくべきことをまとめた本です。

犬の飼い主向けに書かれた別の本もあるようですが、これは猫の飼い主向けに書かれた本。

実際に東日本大震災や熊本地震で猫と一緒に被災した方々の体験談も載っているので、実践的なアイディアを学べます。

例えば、主なアイディアは、

・猫が迷子になっても必ず再会出来るように、身元が分かる物を猫に身につけさせておき、探しやすくなるように猫の写真も用意しておく

・単なる移動手段としてだけではなく、避難場所としても使えるように、日頃から猫をキャリーバッグに慣らしておく

・最低でも3日分の、普段から慣れているキャットフード、薬、飲料水、猫砂、猫用食器などを非常持ち出し袋に入れておく

・猫にワクチンの接種、ノミ・ダニの予防、定期的な健康診断を受けさせておく

・猫にトイレのしつけをしておく

・ペット同行可の避難訓練に猫と一緒に参加して、いざという時のシミュレーションを行う

・猫が出血や骨折などをした際の応急処置について飼い主が学んでおく

・猫が避難所でパニックにならないように、飼い主以外の人間や他の生き物に慣れさせておく

といったもの。

こうしたアイディアを紹介する中で、特に強調されているのは、「飼い主が無事でなければ猫の命を守ることは出来ないので、自分の身の安全を確保することを忘れないこと」。

意外と、これが盲点になりがちですよね。

自分のことより猫のことを最優先に考えてしまいがちですから。

それについてはわたしも身近な事例を知っています。

わたしの友人は熊本地震の際に、「猫が他の人間や生き物を怖がるから」「他人に頼るのは嫌」と言って、避難所へ行くことも、わたしを含めた友人たちの家や親族の家へ一時避難することも嫌がり、猫と一緒に軽自動車の中で車中泊を何日も続けた結果、エコノミー症候群になりかけましたし、猫もいつもと違う環境がストレスとなり持病が悪化しかけました。

「猫のために」と思って行ったはずのことが、飼い主にとっても猫にとっても良くない事態を招きました。

ただ、友人が悪いとは言い切れません。

友人の場合は「避難所に行ったら女性は性被害にあう」という不安も感じていたため避難所に行きたくても行けない事情もあったからです。

もし友人が日頃から猫を飼い主以外の人や生き物に慣れさせていたら少しは違う結果になったのかもしれませんし、「他人に頼るのは嫌だ」と意地を張らずに避難して他の人に頼るということも選択肢の1つに入れておくべきだったのでしょうし、そもそも「避難所は安全だ」と言い切れる安心感があれば良かったのに…と思います。

同じようなことを繰り返さないために、日頃から人間・ペット両方のためになる災害対策を行っていきたいです。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索