著…中野京子『中野京子と読み解く名画の謎 旧約・新約聖書篇』
多くの画家が好んで描いてきた「楽園追放」「カインとアベル」「七つの大罪」といったキリスト教的テーマについて学ぶことで名画をもっと楽しもう、という本。

聖書に関する映画や漫画にも登場する「ヤコブ」「マグダラのマリア」「マタイ」といった人物たちの概要についても説明してくれます。

おかげさまで、ちょっと物知りになった気分になれます。

それにしても、神様の残酷さには驚かされます!

アブラハムを試すために、「息子イサクを殺して神に捧げよ」と言うなんて!

わたしがキリスト教徒ではないから、息子への愛よりも信仰を取るアブラハムの行動がショックなのであって、敬虔なキリスト教徒にとっては当たり前なのかもしれませんが…。

アブラハムは神様を信じ切っていたので、イサクと一緒に祭壇を作り、イサクを縛ってその首を切ろうとしたところ、天使が舞い降りてきて止めてくれたそうです。

天使ありがとう!

レンブラントが描いた『イサクの犠牲』には、今まさに父親に首を切られようとしているのに抵抗もせず横たわるイサクが描かれていて、…哀れ。

わたしに言わせりゃ、我が子を殺めようとするアブラハムもむかつくし、人間を試そうとして無茶振りしてくる神様もむかつきますよ!

確かに神様は世界を作ってくれたかもしれませんが、だからって何をやってもいいんかい!?

わたしはイサクに「我が子を愛さないような親に黙って従うことないよ」と言いたい。

これは、親から虐待されている子どもたち全てに言いたいこと。

子どもは親にどんなに酷いことをされてもやっぱり親を愛してしまいがちだけれど…。

わたしはこの絵の天使のように、止めに入れる人になりたいです。

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