著…毛利嘉孝『バンクシー アート・テロリスト』
ステンシルの手法、各作品についての解説、サザビーズでのシュレッダー事件、ミュージアムでの無断展示事件、バンクシーの正体ではないか?と噂されている人たちのことなど、バンクシーにまつわる様々なことが書かれている本。

特に、バンクシーがやっていることは落書きなのか? アートなのか? という点について考えさせられます。

アートならば犯罪ではないのか?

表現の自由はどこまで許されるのか?

また、バンクシー風の落書きが日本国内で次々と見つかり、「これは本物のバンクシーなのか」「本物なら消したらまずいのだろうか」「本物だったらいくらくらいするのだろうか」と人々がざわついたことについてもこの本は触れています。

悩ましい問題ですよね。

わたしは、反戦、パレスチナ問題、難民問題、反資本主義といったテーマ性の強いバンクシーの作品が好きなので、「うちの家の壁にもバンクシーが絵を描いてくれないかなぁ」と胸をときめかせることもあります。

しかし、バンクシーのファンではない人なら「よくも落書きしやがって!」と腹が立って即刻消すでしょうし、バンクシーに損害賠償請求をしたくなるでしょうね。

しかしそうやって物議を醸すことこそがバンクシーの狙いなのかもしれません。

単に綺麗なものだけを描く芸術だけでは無く、爆弾や銃や遺体といった生々しい現実を描くことで人々の注目を集め、人々に平和について考えさせようという意図があるのかも。

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